SACDの特徴のひとつとして挙げられるのに
マルチチャンネル
というものがあります
通常前ふたつのスピーカーに加え、後ろふたつ、フロントにひとつ、サブウーファーがひとつ
スピーカー5つにサブウーファーは重低音のみですので0.1と数え、5.1ch
5.1chマルチ(クラシックではフロントとサブウーファーを除く4・0chなど有)と表記されている物は、サラウンドで楽しめるわけです
ピュアオーディオ愛好家の方には『邪道』ととらえる向きもありますが
確かにステレオ(2ch)音源の方が音質は上です
しかし、これまで聴いてきた大好きなアルバムの違った楽しみ方が出来るのは単純に楽しい
ステレオでは埋もれていた音がマルチで気付かされる事もあります
ですので、SACDハイブリット5・1chマルチチャンネル
の盤ですと、CDとSACDの聴き比べ、ステレオとマルチの聴き比べ、と楽しみの幅が増えます
サラウンドで音に包み込まれる感覚は大変面白い感覚です
しかし、問題もあります
それはマルチにすると違和感があるものもある。ということ
ジェフ・ベック『ブロウ・バイ・ブロウ』は後ろ(リア)からベックのギターが聴こえてきたりするので、慣れるまでは変な感じでした。
それに、過去の名作をいじるのは冒涜である、という意見
確かにそうでしょう。ですので、ザ・フー、ムーディーブルース、などアーティストや当時のレコーディングスタッフが製作に携わっている物には
「これもアーティストが表現したかった世界のひとつ」と納得できますが、それ以外、しかも変なミックスですといただけません(良ければ納得ですけどね)
ですので、ビートルズはポールが存命中に、マルチであろうがなかろうがSACDでの製作をお願いしたい(リンゴよりポール、ですよね。二人とも参加してほしいですが)
個人的にマルチchで気に入ったのは
ピンクフロイド「狂気」
これはマルチで本当の世界が表現できたのでは?と思うほど素晴らしい
ダイアナ・クラール「ホエン・ルック・イン・ユア・アイズ」
これは感動した。マルチで世界に包み込まれる快楽。こういうマルチは嬉しい
ディープパープル「マシンヘッド」
これも各楽器の分離が良く、それでいてスカスカ感が無く良かった。各パートの練習で聴き込みたい人には便利だろう
ムーディーブルース「童夢」
これは心の垢が溶け出していくかのような極上体験。ステレオとの印象の違いも楽しい
私もステレオで聴く機会が多いですが(やはり音の透明感がこちらのが上)、マルチに切り替えるとより単純に音を楽しむ、という事が出来ると思います。
また、マルチシステムを組んでると通常CDでもすべてのスピーカーから音を出せる設定も出来ますので(プレイヤーにもよるかもですが)、迫力ある音圧で楽しめるのも昔聴いたアルバムを引っ張り出すきっかけになって楽しいです
プレイヤーがマルチ対応でしたら、ぜひ試してみては?音楽を楽しむ選択肢が増えるのは悪い事ではないでしょう(笑い)