VIVA!SACD

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SACD (Super Audio CD) is a high-resolution audio disc format developed by Sony and Philips. Utilizing the Direct Stream Digital (DSD) file format, SACD provides for more accurate sound reproduction than the PCM used in the current CD format.

鑑賞感想記 モーツァルト: ピアノ四重奏曲第2番 ピアノ四重奏曲第1番 クイケン・ピアノ四重奏団 SACD HYBRID

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モーツァルト: ピアノ四重奏曲第2番 変ホ長調 K.493 ピアノ四重奏曲第1番 ト短調 K.478 クイケン・ピアノ四重奏団 ヴェロニカ・クイケン シギスヴァルト・クイケン サラ・クイケン ミシェル・ブーランジェ

タワーレコード

HMV

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Mozart: Piano Quartets - Kuijken Piano Quartet

Stereo/Multichannel Hybrid

【曲目】
モーツァルト:
ピアノ四重奏曲第2番 変ホ長調 K.493

1.Allegro 変ホ長調 4/4 ソナタ形式
2.Larghetto 変イ長調 3/8 ソナタ形式
3.Allegretto 変ホ長調 2/2 ロンド形式
ピアノ四重奏曲第1番 ト短調 K.478

4.Allegro ト短調 4/4 ソナタ形式
5.Andante 変ロ長調 3/8 ソナタ形式
6.Allegro moderato ト長調 2/2 ロンド形式

【演奏】
クイケン・ピアノ四重奏団
[ヴェロニカ・クイケン(フォルテピアノ)、
シギスヴァルト・クイケン(ヴァイオリン)、
サラ・クイケン(ヴィオラ)、
ミシェル・ブーランジェ(チェロ)]

【録音】
2016年9月5-7日/ベルギー、ペータース教会

 

 

この曲のためにシギスヴァルト・クイケンとその娘サラ&ヴェロニカにチェロのブーランジェを加え結成されたピアノ四重奏団。ピリオド楽器での演奏。

 

モーツァルトの友人で作曲家でありウィーン初の音楽出版事業者でもあったフランツ・アントン・ホフマイスターから3曲のピアノ四重奏曲の依頼を受け1785年に「フィガロの結婚」の作曲の合間に完成された第1番。

ホフマイスターはアマチュアが家庭で演奏するための楽譜で一儲けしようとしていた様ですが、出来上がった曲はそれぞれの楽器にテクニックを要する難しい曲。

実際、各地の演奏会で酷い演奏だという記述も残っているそうです。

「もっと俗っぽく書いてくれないと、君の作品はこれからもう印刷できないし、支払いも出来ない」とホフマイスターと揉めた?そうで、1787年に完成した第2番は別の出版社アルタリアから出版されました。

現代のアーティストとレコード会社にもあるあるなエピソードですね(笑)

残念ながら3曲目は出されていません。。1786年に契約の責務を果たす弦楽四重奏曲第20番 ニ長調 K.499《ホフマイスター》が出版されてますが、こちらはSACDでは今のところありませんね。

 

さて、クイケン・ファミリーによる第1番、2番ですが、それはそれは極上という他ない出来栄えです。

古楽器でもけして貧相な音ではなく、若草の様な爽やかな弦楽器に、朝露の如き瑞々しアと生命力を感じるフォルテピアノが降り注ぐ。私は聴く度に「音楽の喜び」を感じます。明るく朗らかで、グングンと翔け上がっていくリズム、大空へ舞うかの如きヴァイオリンで一気に心つかまれる第2番第一楽章、呟く様なピアノと幻想的な弦楽器のハーモニーの第二楽章。そして、モーツァルト研究の泰斗であるアルフレート・アインシュタイン(物理学者アルベルト・アインシュタインとは従妹説も無関係説もあるそうで)が「天国的な旋律」と様に評し ている第三楽章は微笑ましく、まさに天国的。それがSACDの高音質で聴くともう・・

 

一方で第1番はシリアス。アインシュタインは第1楽章の荒々しい主題を

ベートーヴェンの第5シンフォニーの4つの音符と同様に、運命のモティーフと呼んでも正当であろう」

と評しているほど。ドラマテックに、しかし暗いだけではない優しい陽光の様なメロディ。穏やかなで優しい第二楽章。終楽章の主題についてアインシュタイン

満ち足りた至福の瞬間である。 この瞬間は再びは帰らず、主題は楽章全体の進行のなかで二度とは使われない。 これはモーツァルトの天国である。 まったく無意識に現前している旋律の花であり、誰も手を触れずにそのままにしておかなくてはならない、神の贈物である。

と。「天国的な旋律」もそうですが、言い得て妙としか言えない、聴けば深く納得頂けるかと。クイケン・ピアノ四重奏団の演奏は「強弱」のコントラストが非常に美しく、その緩急にギューっと心を握られてしまい、狂おしいほど。

 

取っつきは第2番の方が良いですが、個人的には聴けば聴くほど染みてくる第1番が好みです。モーツァルト円熟期の傑作、第3番が作られなかったのが惜しい・・

 

録音は2016年9月5-7日、Northstar RecordingsのBert van der WolfによるDXD/DSD録音(Recording Software:Merging、Digital Converters:Horus、Editing Software:Pyramix)。

場所はベルギーのペータース教会

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 満点の極上録音です。

 

シギスヴァルト・クイケンは、兄ヴィーラント、弟バルトルトのいずれも古楽界の巨匠三兄弟。娘のサラ、ヴェロニカ、そして今作には参加してませんが、マリーも音楽家として活躍中。ヴィーラントの息子ピートもいますね。古楽界は日本の鈴木家とベルギーのクイケン家を支えないといけません。

 しかし、ラ・プテット・バンドは政府からの補助金が無くなり、非常に厳しい状態にあります。世界の宝を「買って応援」して頂きたい(正規の新品で)

www.lapetitebande.be

クイケン・ファミリーSACD HYBRID:タワーレコード

クイケン・ファミリーSACD:Amazon

クイケン・ファミリーSACD:HMV 

 

この曲のモダン楽器での演奏SACDはこちら

 

Piano Quartets Kv478 & 493

Piano Quartets Kv478 & 493