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SACDに特化した偏屈ブログ

マイケル・ティルソン・トーマス&SFS新作は様々な音楽が複雑に入り組んだアイヴズの作品を徹底的に解析した演奏 SACD HYBRID

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アイヴズ: 交響曲第3&4番<限定盤> マイケル・ティルソン・トーマスサンフランシスコ交響楽団 、 サンフランシスコ交響合唱団 、 ジョナサン・ディモック

タワーレコード

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19世紀後半アメリカで活躍した作曲家アイヴズは伝統を重んじながらも、実験的な要素を多分に取り入れた作品を多く残しています。本業では保険代理店を営み、その合間を縫って4曲の交響曲をはじめ、管弦楽曲室内楽曲、歌曲など夥しい数の作品を書きましたが、その作風は多岐に渡り、単純な民謡をそのままベースにした曲あり、多調や微分音を取り入れた前衛的な作品ありと、実にヴァラエティに富んでいます。このアルバムに収録された2曲の交響曲は、どちらもアイヴズの代表作。第3番は開拓期のアメリカにおける宗教的な集会をモティーフにした作品で、発表当時ニューヨークにいたマーラーも注目、ヨーロッパで演奏すべくスコアを持ち帰ったというエピソードがあるほどの作品です。第4番の演奏時間は短いものの、様々な音楽が複雑に入り組んでおり、賛美歌、行進曲、ジャズなどが同時進行しながら移り変わっていくコラージュ的な手法で入り乱れながら一度に奏されるという演奏困難な作品として知られています。
ティルソン・トーマスは、若い時よりアイヴズの音楽を積極的に演奏してきており、1980年代に交響曲全集&主要管弦楽作品のSony Classical への録音も名盤ともなっています。サンフランシスコ交響楽団とも多くの作品を演奏し、そのライヴ録音も発売されており、ティルソン・トーマスの類まれな才能とセンスが光る素晴らしい解釈により、いささか難解ともいわれるアイヴズの作品が、驚くほどの生彩を帯びて再現され、「アメリカの精神」が鮮やかに描き尽くしています。また、このアルバムの前半と中間には、第4番に引用されている讃美歌の原曲の演奏も収録されています。
ハイブリッドSACD仕様で、SACD層の音源は非常に高音質で、巨大なオーケストラの様々な楽器配置などまでもが鮮明となっており、さらに音楽の理解度が深まります。
ワーナーミュージック・ジャパン

【曲目】
アメリカ讃美歌集より
1) カール・ゴットヘルフ・グラーザー:世にあるかぎりの
2) チャールズ・コンヴァース:いつくしみ深き
3) ローウェル・メイスン:尊き泉あり
4) ヒンドゥスターン・エア:彼方にある御国で
5) ウィリアム・ブラッドベリー:小羊主イエスの招きにこたえて
チャールズ・アイヴズ:
6-8) 交響曲第3番「キャンプ・ミーティング」
アメリカ讃美歌集より
9) ジョゼフ・フィルドリック・ウェブスター:はるかにあおぎ見る
10) ジョン・R・スウェニー:けがれしこの世の
11) チャールズ・ツォイナー:輝く日を仰ぐとき
12) シミオン・バトラー・マーシュ:愛するイエスよ、受けとめたまえ
13) ローウェル・メイスン:北のはてなるこおりの山
14) ローウェル・メイスン:主よ、みもとに近づかん
チャールズ・アイヴズ:
15-18) 交響曲第4番

【演奏】
マイケル・ティルソン・トーマス(指揮)
サンフランシスコ交響楽団&合唱団
ジョナサン・ディモック(オルガン)
ピーター・ドゥガン(ピアノ)

【録音】
2017年11月、サンフランシスコ、デイヴィス・シンフォニー・ホールでのライヴ

SACD Hybrid
CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD 5.1 SURROUND

 


Michael Tilson Thomas discusses Ives' Symphony No. 4

 

マイケル・ティルソン・トーマスSACD HYBRID:タワーレコード

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