ドイツの文筆家バルトルト・ハインリヒ・ブロッケス(1680-1747)。彼が書いた受難のテキストは18世紀に高い人気を誇り、ラインハルト・カイザーやヨハン・マッテゾンをはじめ、テレマン、ファッシュなど何人もの作曲家が彼の詩を用いて受難曲を作曲、バッハも「ヨハネ受難曲」のいくつかの楽章でブロッケスの詩を用いています。ヘンデルも1710年代にこのブロッケスの詩による受難曲を作曲しており、これは彼の生涯唯一の受難曲であるとともに、イギリス時代のヘンデルとしては珍しくドイツ語で書かれた声楽作品であることでも知られています。ただし、残念なことに自筆原稿が失われており、作曲された経緯はあまりわかっていません。今回、この曲に取り組んだのはデンマークを代表するバロック・オーケストラ、コンチェルト・コペンハーゲン。モルテンセンの指揮により数々の作品で精緻な演奏を聴かせるアンサンブルであり、今作でも、イタリアオペラの様式も感じられるヘンデルの大作を見事に演奏しています。
ナクソス・ジャパン【曲目】
ヘンデル(1685-1759):ブロッケス受難曲 HWV48Der fur die Sunde der Welt gemarterte und sterbende Jesusぬ
-世の罪のために苦しみ死にたまいしイエス【演奏】
マリア・ケオヘイン(ソプラノ)
ジョアン・ラン(ソプラノ)
ハンナ・ツムザンデ(ソプラノ)
ダニエル・カールソン(カウンターテナー)
ダニエル・エルヘルスマ(カウンターテナー)
エド・リヨン(テノール)
グウィリム・ボウエン(テノール)
ピーター・ハーヴェイ(バス)
ヤコブ・ブロック・イェスペルセン(バス)ラルス・ウルリク・モルテンセン(チェンバロ&音楽監督)
コンチェルト・コペンハーゲン
モーテンセン&コンチェルト・コペンハーゲンのバッハはお気に入り。特にミサ曲ロ短調はおススメ
J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲 第1番-第6番