VIVA!SACD

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SACDに特化した偏屈ブログ

A Bridge of Dreams アンヌ・ボイドの「更級日記」

A Bridge of Dreams~夢の橋 環太平洋地帯の合唱作品集[SACD Hybrid]

A Bridge of Dreams『夢の橋 ~ 環太平洋地帯の合唱作品集』

アンドリュー・ローレンス=キング、アルス・ノヴァ・コペンハーゲン、ポール・ヒリアー

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タワーレコード

 

ネタ探しにSACDを検索してて目に止まった一枚。2012年発売のもので、「ポール・ヒリアーとローレンス=キングか」と。

タイトルの「A Bridge of Dreams」は平安時代菅原道真の5世孫にあたる菅原孝標の次女・菅原孝標女によって書かれた回想記で、平安女流日記文学の代表作の一つである「更級日記」の事(As I crossed a bridge of dreams)。

【曲目】
1-11. ルー・シルヴァー・ハリソン(1917-2003):聖チェチーリアの日のためのミサ曲
12. ロス・エドワーズ(1943-):聖なるカワセミ詩編
13-17. ジャック・ボディ(1944-):5つの子守歌
18. リウ・ソーラ(1955-)&ケヴィン・クロッスリー=オランド(1941-):海をゆく者
19. アンヌ・ボイド(1946-):As I Crossed a Bridge of Dreams~更級日記

 

アンヌ・ボイドはオーストリアの女性作曲家で、彼女は日本やインドネシアの伝統音楽に影響を受け、また敬虔なクリスチャンであり、スピリチュアルな曲を書くのだそうだ。


As I Crossed a Bridge of Dreams

夢見る文学少女だった菅原孝標女が、『源氏物語』を読みふけり、物語世界に憧憬しながら過ごした少女時代、身内の相次ぐ死、親王家への出仕、結婚と出産、夫との死別、子供の独立、孤独の中で次第に深まった仏教傾倒。。「更級日記」の内容を知ればよりこの曲がわかるかも。

 

このアルバムは他にも、オーストラリア、ニュージーランドアメリカ(カリフォルニア)、中国といった環太平洋地域の、そして西洋音楽の正統とは異なる語法を用いる作曲家の作品が集められていて、大変興味深い。また、ジョルディ・サヴァールとの共演で馴染みのあるアンドリュー・ローレンス=キングがハープ、ハーディー・ガーディー、プサルタリーで参加している点も

 

とても美しい、SACDで聴いたら尚良いであろう作品。

スルーしてた作品が実は・・なんて事は多々で、世界は広いな、音楽は深いなと痛感