VIVA!SACD

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SACDに特化した偏屈ブログ

The Grateful Dead74年7TH、75年8THがMOBILE FIDELITYからハイブリッドSACDで登場!!

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Blues For Allah<限定盤> The Grateful Dead

タワーレコード

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スタジオ8作目にして自身のGRATEFUL DEAD RECORDSからの第3弾作品。74年10月から始まった暫しの活動休止期間の後、75年1月からバンドはゆるやかにプロジェクトを始動。録音にはリズム・ギタリストBOB WEIRがカリフォルニア州ミルバレーの新居に建てた私家スタジオACE STUDIOSが使用され、71年2月にバンドを脱退したものの前作時期のステージから再び参加し始めていたパーカッショニストMICKEY HARTが遂に復帰。

ステージ上で成熟した楽曲をスタジオに持ち込むというこれまで当然としていたアプローチから一転、素材を一から作成した各トラックをスタジオ内で発展させていくスタイルを模索し多くの実験を展開。絶え間ないツアーと財政的圧力の為にほつれ始めたバンド本来の自然主義スピリチュアリズム、エネルギーの復活を示した転換作となりました。

『E.S.P.』期のMILES DAVISとも近似すると評される多面的なメドレーを展開するオープニング"HELP ON THE WAY / SLIPKNOT!"、LOU REEDの73年ヒット・チューン"WALK ON THE WILD SIDE"のコーラスにインスパイアされたリフが使われた"FRANKLIN'S TOWER"、WEIRがウォームアップにしていたフィンガー・エクササイズから着想を得たギター・ソロとBACHにインスパイアされたという実験的なフルートが聞こえる"SAGE & SPIRIT"、バンドのファンとして知られたサウジアラビアのファイサル王の本作レコーディング開始直後に起きた暗殺に影響を受け、奇妙でほぼ無調なメロディで進むタイトル・トラック"BLUES FOR ALLAH"、ロマン派詩人シェリーのエジプトを舞台にした詩「オジマンディアス」を素材に、HERBIE HANCOCKにインスピレーションを得たKEITH GODCHAUXのフェ
ンダー・ローズも薫りJERRYのソロが自由に駆け抜ける名インストルメンタル"KING SOLOMON'S MARBLES"、DONNA GODCHAUXがソウルフルにヴォーカル参加したのちのバンドを代表するステージ・フェイヴァリット"THE MUSIC NEVER STOPPED"に、BILL KREUTZMANNがレゲエ・ライクなブードゥー・リズムを刻みROBERT HUNTERが俳句を取り入れた名品"CRAZY FINGERS”などなど、先入観のないセッションによってバンドのコラボレーションのルーツに立ち戻ったかのような名ジャム・セッションを展開。さまざまな拍子、中東のモチーフといった実験的要素はもちろん、エレガントなスケールで満たされたバンド本来の即興性がよく現れた傑作に仕上がっています。

QUICKSILVER MESSENGER SERVICEの元機材マネージャーでKEITH & DONNA BAND にも参加していたフルート奏者のSTEVE SCHUSTERや、DAVID CROSBY、JOHN CIPOLLINAらがアットホームにゲスト参加。

 

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From The Mars Hotel The Grateful Dead

 

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自らが設立した新たなインディペンデント・レーベルGRATEFUL DEAD RECORDSの第2弾作品にしてスタジオ7枚目。前作から1年足らずというハイペースで制作された本作は、制作費35万ドル/600個のスピーカー/総重量50トンにも及ぶ巨大PAシステム「THE WALL OF SOUND」がライヴ・コンサートでスタートする一方でそのシステム維持にバンドも苦しみ、またステージでのマジックをスタジオで再現することに悩んだ時代の作品でもありました。

バンドは67年のシングル"THE GOLDEN ROAD (TO UNLIMITED DEVOTION)"を録音したサンフランシスコはフォルサム・ストリートのCOAST RECORDERSスタジオへと舞い戻り、前作のRECORD PLANTよりもライヴ・サウンドに近い環境を獲得。フリーなブルース・ジャム・フィーリングとともにより明るくよりルーツ寄りのアップテンポで簡潔なサウンドに仕上げられています。

ロッキンでブギーなオープナー"U.S. BLUES"をはじめ、これまでのステージで何度も演奏されてきたGARCIA-HUNTER楽曲を中心に、数か月前にステージに下ろされたファンク・チューン"SCARLET BEGONIAS"といった新曲や、前作『WAKE OF THE FLOOD』セッションで録音されながらもお蔵入りとなっていたミステリアスで美しい名バラッド"CHINA DOLL"、同時期のデモから救い出され、ベーシストPHIL LESHのペンで自らヴォーカルを取った「バンドの最も挑戦的で美しいコード進行の一つ」と評される"UNBROKEN CHAIN"、CLOVERのJOHN MCFEEをゲストに迎えたこちらもPHIL LESHの"PRIDE OF CUCAMONGA"、リズム・ギタリストBOB WEIRによる"MONEY MONEY"等をヴァラエティ豊かに展開。ほか70年代半ばまでライヴにも参加していたエレクトロニック・コンポーザーNED LAGINが"UNBROKEN CHAIN"にひっそりと印象的なシンセサイザーで参加しています。

アートワークは『AMERICAN BEAUTY』『GRATEFUL DEAD』『EUROPE '72』等を手掛けたKELLEY/MOUSE。長らく廃盤が続き市場では数百ドルで取引されている84年版のMOFI盤よりも大幅な改善を見たというニュー・ヴァージョン。カッティング・システム、プレス加工、およびマスタリング・ギアの強化によってさらに優れた忠実性を実現しています。

 

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