VIVA!SACD

VIVA!SACD

SACDに特化した偏屈ブログ

ヴァンスカ&ミネソタ管によるマーラーの交響曲第10番

マーラー: 交響曲第10番
オスモ・ヴァンスカ 、 ミネソタ管弦楽団

タワーレコード

HMV icon

 

SACDハイブリッド盤。好評を博しているオスモ・ヴァンスカ率いるミネソタ管弦楽団によるマーラー・シリーズ。当録音は交響曲第10番です。当演奏でもヴァンスカならではの緻密な構成と、細部にまで注意が払われた圧巻の仕上がり。繊細かつ丁寧な音楽づくりが魅力です。また録音にも注目。オーケストラ全体の響きを自然にとらえ、演奏の一体感を堪能することのできる録音です。
この未完の大作第10番の全貌が世に知られるきっかけとなったのは、BBCが企画したマーラー生誕100周年記念演奏会のためにその前年の1959年、デリック・クックに草稿をもとに補筆を依頼したためでした。ヴァンスカが使用したのはこのクック版(1976)の最終稿であるクック版第3稿(第2版)(1989)を使用しております。これはクックの没後、ゴルトシュミットとマシューズ兄弟により1989年に出版されました。
BISレーベルで数多くの録音を残してきたヴァンスカが最上級の演奏に達したマーラー交響曲シリーズ。これまでに第1番「巨人」(KKC 6034 / BIS SA2346)、第2番「復活」(KKC 5995 / BIS SA 2296)、第4番(KKC 6131 / BIS SA 2356)、第5番(KKC 5831 / BIS SA 2226)、第6番(KKC 5994 / BIS SA 2266)、第7番(KKC 6184 / BIS SA 2386)がリリースされております。
2003年にミネソタ管弦楽団音楽監督に就任したヴァンスカは、ベートーヴェン交響曲全集などで評価を高めました。しかし、当団では経営悪化に伴う労使対立が激しさを増し、2012年10月に経営側はロックアウトを決行。その後の2012/13年のシーズンは全てキャンセルとなり、当団の存続そのものも危ぶまれる状況となりました。ヴァンスカは、労使の合意が成立した2014年1月に首席指揮者に復帰し、以後、団結力の増したミネソタ管の演奏は一層密度の濃いものとなっております。
キングインターナショナル

【曲目】
マーラー:交響曲第10番 嬰ヘ長調(クック版第3稿(第2版)(1989))
(i .26'21+ii .11'27 +iii .4'14 +iv .11'50 +v .23'14 = 78'20)

【演奏】
オスモ・ヴァンスカ(指揮)
ミネソタ管弦楽団

【録音】
2019年6月
オーケストラ・ホール
(ミネアポリス)

プロデューサー:ロバート・サフ