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SACDに特化した偏屈ブログ

オイストラフがこのコロンビア、RCA両レーベルに残したすべてのステレオ録音を網羅した2枚組SACD HYBRID ダヴィッド・オイストラフの芸術

ダヴィッド・オイストラフの芸術(2022年 DSDリマスター)<完全生産限定盤>
ダヴィド・オイストラフ

タワーレコード

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タワーレコード x Sony Classical 究極のSA-CDハイブリッド・コレクション第10回記念特別企画
豊麗な音色、強靭な技巧――巨匠の本質が鮮烈に捉えられたアメリカ録音。1959年米コロンビア・ステレオ録音のすべてを収録し、さらに1955年12月にRCAに残したステレオ録音の2曲をカップリング。オイストラフがこの両レーベルに残したすべてのステレオ録音を網羅した2枚組。日本独自企画・完全生産限定盤

■20世紀のヴァイオリン演奏史の中で燦然と輝く巨匠ダヴィッド・オイストラフ(1908-1974)。1934年全ソビエト音楽コンクールで優勝し、35年ヴィニャフスキ国際コンクール2位、37年イザイ・コンクール優勝。第2次世界大戦以後には世界的な脚光を浴び、独奏者としてだけではなく、室内楽奏者・指揮者・教育者としても活躍し、総合的な音楽家として大きな尊敬を集めました。

■第2次大戦後、オイスオラフは1946年の「プラハの春」出演を皮切りに、ソ連国外での演奏活動を開始して世界的な脚光を浴びるようになりました。1954年にはイギリスとフランス、1955年には日本とアメリカでデビューを果たし、各地でセンセーショナルな成功を収めています。この時期のオイストラフの録音で特徴的なのは訪れる国々で現地のレコード会社のために新たな録音を行っていることで、1955年11月から12月のアメリカ・デビュー・ツアーに際しては、当時のアメリカの2大メジャー・レーベルであったコロンビアとRCA双方が録音を乞い、オイストラフもそれに応じて3週間でLP4枚半を録音するほどの人気ぶりでした。共演もユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団シャルル・ミュンシュ指揮ボストン響という、当時の両レーベル専属の重要指揮者・オケを起用しています。

オイストラフが次にアメリカを訪れたのは4年後の1959年12月のことで、この時は米コロンビアが彼の録音を独占し、演奏会の忙しいスケジュールを縫ってほぼ3日間のセッションでLP3枚分の録音を行っています。当2枚組は、その1959年米コロンビア・ステレオ録音のすべてを収録し、さらに1955年12月にRCAに残したステレオ録音(当時メインだったモノラルと並行してステレオ収録された音源)の2曲をカップリングしたもので、オイストラフがこの両レーベルに残したすべてのステレオ録音を網羅しています。

オイストラフは自らの主要レパートリーについては既に生前に複数の録音を残しており、チャイコフスキーは5種類、シベリウスサン=サーンスは3種類、ショーソンは2種類の録音が発売されていました。当アルバムのアメリカ録音は、それらの中で録音条件が最も整ったもので、オイストラフのソロの豊麗な音の輝き、オーケストラとのバランスなど、今聴いても鮮度の高い音には驚かされます。立派な体格と強靭な技巧、そして名器1705年製ストラディヴァリウス「マルシック」から生み出される、オイストラフのスケールの大きな音楽づくりと豊麗な音色によって、まさにヴァイオリンという楽器の魅力を味わいつくすことができるのです。またショーソンサン=サーンスに関してはミュンシュ/ボストンとのアメリカ録音が唯一のステレオ録音でもあります。

アイザック・スターンとのヴィヴァルディの協奏曲4曲はオイストラフにとって生前唯一の録音で、その意味では貴重なものです。スターンは1951年にブリュッセルで初めてオイストラフに出会い、それ以来友人として親しく付き合い、ロシア語が流暢だったため、オイストラフの1955年12月のフィラデルフィアでの録音に際しても、「君の耳は私のとよく似ているから私は自由に演奏できる」と録音ディレクターを任されたほどの信頼を得ていました。フィラデルフィア管の繊細かつ美しい伴奏に乗って、オイストラフとスターンの豊潤な音色を堪能することができます。

■これらの録音はLP時代のカタログから消えたことがなく、CD時代初期からCD化されて親しまれてきました。日本でも海外でも、部分的にはリマスターが行われ、ヴィヴァルディの4曲に関しては1999年にスターンのヴィヴァルディ「四季」とのカップリングでSACDシングルレイヤーとしても発売されています。今回のSACDハイブリッド化に際しては、ソニーミュージックが厳重に保管するアナログ・マスターをニューヨークのアンドレアス・マイヤーのスワン・スタジオに持ち込んで新たにトランスファー、リミックス、リマスターを行っています。

[シリーズ・コンセプト]
ソニークラシカルおよびRCA Red Sealの歴史的名盤を、タワーレコードとのコラボレーションにより、これまでのリマスターも含め最高のクオリティを追求し、ハイブリッドディスクとして「究極」の形でフィジカル・リイッシューいたします。ソニークラシカル秘蔵のオリジナル・マスターに遡り、気鋭のマスタリング・エンジニアのアンドレアス・K・マイヤーをはじめとする経験豊富な名手が、今回の発売のために新規で復刻を手掛けるSA-CDハイブリッドのコレクションです。レーベルには、定評ある「音匠レーベル」を使用し、マスターに刻み込まれた原音質の再現性に万全を期し、解説書には、資料性の高いライナーノーツを掲載することで、それぞれの名盤が背負ってきた栄光の軌跡を現代に鮮烈に蘇らせるのが、当シリーズの狙いです。

【曲目】
[DISC1]
チャイコフスキー
1-3 ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
[録音]1959年12月24日、フィラデルフィア、ブロードウッド・ホテル
シベリウス
4-6 ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47
[録音]1959年12月21日&24日、フィラデルフィア、ブロードウッド・ホテル
[演奏]
ダヴィッド・オイストラフ(ヴァイオリン)
フィラデルフィア管弦楽団
指揮:ユージン・オーマンディ
[オリジナル・レコーディング][プロデューサー]ハワード・H・スコット

[DISC2]
ヴィヴァルディ
1-3 2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 RV 514
4-6 2つのヴァイオリンのための協奏曲 ハ短調 RV 509
7-9 2つのヴァイオリンのための協奏曲 ト短調 RV 517
10-12 2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ長調 RV 512
[演奏]
ダヴィド・オイストラフ(第1ヴァイオリン[6-8, 12-14]、第2ヴァイオリン[3-5, 9-11])
アイザック・スターン(第1ヴァイオリン[3-5, 9-11]、第2ヴァイオリン[6-8, 12-14])
ウィリアム・B・スミス(チェンバロ)
フィラデルフィア管弦楽団のメンバー
指揮:ユージン・オーマンディ
[録音]1959年12月31日、ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ
[オリジナル・レコーディング][プロデューサー]ジョン・マックルーア
ショーソン
13 詩曲 作品25
サン=サーンス
14 序奏とロンド・カプリチオーソ イ短調 作品28
[演奏]
ダヴィッド・オイストラフ(ヴァイオリン)
ボストン交響楽団
指揮:シャルル・ミュンシュ
[録音]1955年12月14日、ボストン、シンフォニー・ホール

[オリジナル・レコーディング][プロデューサー]ジョン・ファイファー
[オリジナル・アナログ・マスター]2トラックおよび3トラック
[オリジナル・アナログ・マスターからのトランスファーDSDマスタリング]アンドレアス・K・マイヤー[ニューヨーク、スワン・スタジオ]

 

 

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