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SACDに特化した偏屈ブログ

タワレコ限定SACD 生誕100年記念企画オトマール・スウィトナー~ベートーヴェン:交響曲全集・序曲集(6枚組) 「DENON原盤 ORTマスタリング」 SACDシリーズ開始

タワーレコード・オリジナル企画盤  日本コロムビア x TOWER RECORDS
タワーレコード SACD化プロジェクト新作 The Valued Collection Platinum
DENON原盤 ORTマスタリング」 SACDシリーズ開始

ベートーヴェン: 交響曲全集・序曲集(2022年ORTマスタリング)<タワーレコード限定>
オトマール・スウィトナーシュターツカペレ・ベルリン

タワーレコード

 

スウィトナー生誕100年(1922~2010)記念企画。巨匠の芸術を味わう不滅の名盤を、日本コロムビアが独自に開発したORTマスタリング・システムによりハイレゾ化を行いSACDとして初リリース。CDスペックで失われていた帯域を復元することで音場・音質が鮮やかに向上しています。CDは初出以来、マスター音源のマスタリングは行われていませんでしたが、今回SACD層は元より、CDレイヤーも今回のマスタリングの音源を使用しています。

これらの1980年から84年にかけて旧東ベルリンのイエス・キリスト教会で収録された録音は、スウィトナーを代表する名盤として、発売以来、高く評価されてきました。全集中でも、特に「田園」は数多い強豪盤の中にあって一番聴かれている音源のひとつであり、日本では人気がある演奏です。スウィトナーベートーヴェンは、それ以前の例えばシュターツカペレ・ドレスデンとの一連のモーツァルト録音で感じられた、あくまで作品を重視した自然な音楽の流れを重視した中にある朴訥として響きを持ちつつ、根底にある情感や音楽の"動き"を積極的に活かした演奏となっているのが特徴でしょう。決して朴訥とした演奏ではなく、ここに収められているのはオーケストラと一体となった渾身の演奏です。特に今回の最新音源では如実に感じられるはずです。これまでも録音が良い音源として知られていましたが、今回、発売時以来となるマスタリングを施しましたので(今回はORTマスタリング)、CD層でもその効果は顕著です。

制作は当時、日本コロムビア=ドイツ・シャルプラッテンの共同制作として進められ、録音自体は3人のエンジニアで行われました。それぞれ収録時期等は異なりますが、音質も多少異なります。今回のORTマスタリングにより、従来以上に間接音や倍音の豊かさ、個々の録音の特筆が把握できますので、その意味でも演奏の楽しみ方が拡がるはずです。初期スペックのデジタル録音とはいえ、当時の日本コロムビアには既にいくつもの経験とノウハウがありましたので、音質自体は元々良い、安定感があることは言うまでもありません。今回は、より鮮やかに、奥行きもあるクリアな音質を堪能できます。尚、序曲のみは交響曲とニュアンスが多少異なる録音でしたが、今回の最新復刻がこれらの名盤を一掃輝かせる機会となったことは確かです。さらに蘇った名盤の評価が一層高まることを期待します。尚、今回の第1回発売では、1タイトルを発売いたします。

ORTマスタリングとは>

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CDスペックにて録音されたDENONレーベルの数々の名盤、そのデジタル変換時に失われてしまった楽音の高域成分を、低域部分の倍音を利用して予測、再構築する技術「Overtone Reconstruction Technology(ORT)」を開発しました。この倍音再構築技術と、従来から導入されている"Master Sonic 64bit Processing"による高品質なマスタリング技術が組み合わさったものが、"ORT Mastering"です。ORTによって得られた広い周波数帯域とダイナミックレンジを最大限に活かし、原音に忠実に、名演奏、名録音の魅力をお届けします。

【曲目】
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン:
<DISC1>
1. 交響曲 第1番 ハ長調 作品 21
2. 交響曲 第2番 ニ長調 作品 36
3. 《プロメテウスの創造物》序曲 作品 43

<DISC2>
4. 交響曲 第3番 変ホ長調《英雄》 作品 55
5. 劇音楽《エグモント》序曲 作品 84
6. 序曲《コリオラン》 作品 62

<DISC3>
7. 交響曲 第4番 変ロ長調 作品 60
8. 交響曲 第5番 ハ短調 作品 67

<DISC4>
9. 交響曲 第6番 ヘ長調《田園》 作品 68
10. 《レオノーレ》序曲 第3番 作品 72a
11. 《フィデリオ》序曲 作品 72b

<DISC5>
12. 交響曲 第7番 イ長調 作品 92
13. 交響曲 第8番 ヘ長調 作品 93

<DISC6>
14. 交響曲 第9番 ニ短調《合唱》 作品 125

【演奏】
マグダレーナ・ハヨーショヴァー(ソプラノ)
ウタ・プリーヴ(アルト)
エバーハルト・ビュヒナー(テノール)
マンフレート・シェンク(バス)
ベルリン放送合唱団
ディートリッヒ・クノーテ(合唱指揮)
(以上14)
ベルリン・シュターツカペレ
オトマール・スウィトナー(指揮)

【録音】
1983年8月30-9月6日(第1,4,8番)
1982年6月12-19日(第2,9番)
1980年6月23-25日(第3番)
1981年8月26-31日(第5,7番)
1980年7月7-9日(第6番)
1984年9月17-20日(序曲)
(旧東)ベルリン、キリスト教

【Original Recordings】
制作担当:
エバーハルト・ガイガー(第1,4,5,7,8番,序曲)
ハインツ・ヴェーグナー(第2,3,6,9番)

録音担当:
エバーハルト・リヒター(第1,2,4,5,7,8,9,序曲)
クラウス・シュトリューベン(第3,6番)
ホルスト・クンツェ(第4番)

テープ編集:久木崎秀樹(序曲)

【原盤】
日本コロムビア=ドイツ・シャルプラッテン共同制作