VIVA!SACD

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SACDに特化した偏屈ブログ

生誕90年記念企画。 巨匠フェドセーエフによる90年代の黄金の記録、待望の復活! キャニオンクラシックスによるロシア管弦楽曲集、アルバム全4枚を新規でマスタリングの上、BOX化 シリアル・ナンバー付700セット限定盤

フェドセーエフ 管弦楽曲録音集(キャニオンクラシックス原盤)<タワーレコード限定>
ヴラディーミル・フェドセーエフ 、 モスクワ放送交響楽団

タワーレコード

 

 

このBOXは、キャニオンクラシックスがモスクワに乗り込んで挙行した、フェドセーエフによるロシアの管弦楽曲を収録順に集成したものです。フェドセーエフの音楽は、劇的表現に長け、骨太で豪胆な解釈が際だち、洗練とは一線を画す重厚な響きやエネルギー感が特徴で、それを収録の「展覧会の絵」や「シェエラザード」などの名品から、グリンカやスヴィリドフといった貴重かつ多彩なレパートリーで味わうことができます。増田良介氏の新原稿、江崎友淑による2022年新マスタリング、緑色レーベル仕様などで、巨匠60歳代の最活動期の演奏をご堪能ください。曲目は「展覧会の絵」や「シェエラザード」といった有名曲をはじめ、彼らの力が大いに発揮された重厚なプロコフィエフ、珍しいグリンカ作品や来日公演で評判となったスヴィリドフの「吹雪」など、フェドセーエフ自身の想い入れがある作品です。尚、今回の4枚分のアルバムのうち、DISC2のプロコフィエフと、DISC3のシェエラザード他は2012年にExtonレーベルからSACDが出ていましたが、他の2作は今回が初SACD化となります。また、今回のリリースにあたっては全作新規でマスタリングを行いました。

フェドセーエフの音源は1970年代からのメロディアの他に、'80年代から'90年代初頭にかけては日本ビクターが積極的にロシア音楽を録音したことや、多くの来日公演により日本での人気も高まって行きました(初来日は1975年)。さらに1993年からは江崎氏によるキャニオンクラシックスの録音が進行し、再録音となる曲も含め数多くのロシア作品が収録され、各時代のフェドセーエフとモスクワ放送交響楽団の軌跡が残されました。今回まとめて復刻する音源は、フェドセーエフが61歳から64歳にかけての記録で、名実ともにロシア音楽界の巨匠のひとりとして精力的に活動していた時期です。もちろん、1974年以来現在に至るまでモスクワ放送交響楽団音楽監督を務めていますので、その後の活躍や最近も録音をリリースするなど、90歳を超えても活動の幅は狭まっていないのは驚くべきことです。

キャニオンクラシックスへの録音はショスタコーヴィチ交響曲をはじめ、管弦楽曲も多く収録されました。面白いのは、以前のビクター盤と被る曲も多くあり、収録時期は10数年ほど経過しているものの、レコード会社による音の差がかなりある点です。ベースは同じでモスクワでの収録とはいえ、ビクター盤は少ないマイクで全体としての響きを重視する、言わばホールで聴いているようなマッシヴな鳴り方に対し、キャニオンクラシックスでは個々の楽器の音色を重視しながらも、より鮮明な音質を目指した作りになっています。もちろん、収録した際のデジタル機材の違いや進歩も大きいですが、彼らの音楽をどのように捉え、どうリスナーに伝えるかという考え方の違いもあるようです。その意味では、今回のキャニオンクラシックス音源はより高音質化を行うに相応しい音源と言えるでしょう。オーディオ的にも十分完成されたこの当時の録音の最新復刻では、よりフェドセーエフの解釈に踏み込んで音楽を鑑賞することができます。

今回の復刻では元々キャニオンクラシックス時代にこれらの録音を手掛けた現オクタヴィア・レコードの平井氏、レコーディング・ディレクターとしてクレジットされている江崎氏両名による最新復刻ですので、当時の雰囲気を十分に残しつつ、最新の機材と技術により高音質化&マスタリングを行いました。まさに最も相応しい布陣による正統的な復刻がされています。今回の解説書は、序文に新規序文解説を、さらに各初出時の解説を掲載しました。シリアル・ナンバー・シール付の700セット限定でリリースいたします。

【曲目】
<DISC1>
1. モデスト・ムソルグスキー:組曲展覧会の絵」(ラヴェル編)
2. ボリス・チャイコフスキー:テーマと8つの変奏曲

<DISC2>
3. セルゲイ・プロコフィエフ:バレエ組曲「ロメオとジュリエット」 作品64 -抜粋-
4. セルゲイ・プロコフィエフ:組曲「3つのオレンジへの恋」 作品33bis - 抜粋-
5. セルゲイ・プロコフィエフ:組曲「キージエ中尉」 作品60

<DISC3>
6. ニコライ・リムスキー=コルサコフ:交響組曲シェエラザード」 作品35
7. アレクサンドル・グラズノフ:バレエ組曲「ライモンダ」作品57 -抜粋-

<DISC4>
8. ミハイル・グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」より 序曲
9. ミハイル・グリンカ:歌劇「イワン=スサーニン」より 3つのダンス、序曲
10. ミハイル・グリンカ:序曲 ニ長調
11. ゲオルギー・スヴィリドフ:音楽的イラストレーション「吹雪」(プーシキンの物語による同名の映画音楽より改変)

【演奏者】
木野雅之(ソロ・ヴァイオリン シェエラザード)
モスクワ放送交響楽団(現P・I・チャイコフスキー記念大交響楽団)
ウラジーミル・フェドセーエフ(指揮)

【録音】
1993年8月29-31日
モスクワ音楽院大ホールにて収録(DISC 1&2)
1994年5月20, 21日(DISC 3)
1995年5月18 -20日(DISC 4)
モスクワ放送局第5スタジオにて収録

【Original Recordings】
Executive Producer: Hiroshi Hirai
Producer,Recording Director & Balance Engineer: Tomoyoshi Ezaki
Assistant Director:Miyuki Ito (DISC4)
Assistant Engineer: Tatsuro Yamazaki (DISC3), Alexander Karasev, Lubomir Novacek, Michal Zaverka (DISC4)

【マスタリング・エンジニア】
江崎友淑(Tomoyoshi Ezaki)

【原盤】
キャニオンクラシックス