ハチャトゥリヤン: ピアノ協奏曲、「仮面舞踏会」組曲、コンチェルト・ラプソディ
イヤード・スギャエル 、 アンドルー・リットン 、 BBCウェールズ国立管弦楽団
ハチャトゥリヤンは旧ソ連を代表する作曲家ですが、近年ロシアでは以前ほど演奏されないとされます。しかしその反面、中近東系の演奏家たちが積極的に採り上げ重要なレパートリーとなりつつあります。ハチャトゥリヤンの音楽はロシア伝統の手法によりながらも精神は東方的なため、彼らにとり近しい音楽として演奏欲求を刺激されるようです。
1993年ヨルダン出身のピアニスト、イヤード・スギャエルはこれまでハチャトゥリヤンのピアノ・ソナタと「子供のアルバム第1集」を中心としたソロ・アルバム(BISSA-2436)をリリースし高い評価を受けました。今回は2篇の協奏作品をアンドルー・リットン指揮BBCウェールズ交響楽団と共演。BISならではの高音質録音でハチャトゥリヤンのオーケストレーションの妙をあますところなく再現。ピアノ協奏曲の第2楽章で指定されたフレクサト-ンは韓国出身のチェロ奏者リ・スアがミュージカルソーで効果的に彩りをそえています。
さらに嬉しいのは、ハチャトゥリヤンの作品中でも特に人気の高いワルツを含む「仮面舞踏会」組曲のドルハニアン編によるピアノ独奏版も収録されていること。
スギャエルの爽快な解釈がフレッシュ。イヤード・スギャエルはヨルダン系パレスチナ人としてアンマンに生まれ。生地の音楽院で学んだ後、15歳からマンチェスターのチェタム音楽学校、王立ノーザン音楽大学でマレー・マクラクラン、マルティーノ・ティリモほかに師事。今後が期待される注目の若手です。
キングインターナショナル【曲目】
ハチャトゥリヤン:
(1)ピアノ協奏曲変ニ長調
(2)「仮面舞踏会」組曲(ドルハニアン編ピアノ独奏版)
[ワルツ/ノクターン/マズルカ/ロマンス/ギャロップ]
(3)ピアノと管弦楽のためのコンチェルト・ラプソディ