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SACDに特化した偏屈ブログ

日本コロムビア x TOWER RECORDS The Valued Collection Platinum 「DENON原盤 ORTマスタリング」 SACDシリーズ 最新 第5回発売

ウィーン室内合奏団の芸術~コンプリートDENONレコーディングス(2022年ORTマスタリング)<タワーレコード限定>
ウィーン室内合奏団

タワーレコード

 

ヘッツェル没後30年企画。
これぞウィーンの響き!名コンサートマスター、ヘッツェル率いるウィーン室内合奏団によるDENONレーベルへの名演・名録音全4枚を集成。
ヘッツェルはDISC4の収録のあと約1か月半後に急逝したため、ヘッツェル名義での、まさに最後の録音。
ORTマスタリングでハイレゾ音源として新たに蘇りました!
ORTマスタリングを用いたハイレゾ化による初SACD化。最新マスタリングを施した名録音・名演奏を最新復刻

ウィーン・フィルコンサートマスターを長らく務めたゲルハルト・ヘッツェル率いる名門合奏団がDENONレーベルに残した4枚のディスクを集成。録音直後に事故死をしたヘッツェルのラスト・レコーディングです。日本コロムビアが独自に開発したORTマスタリング・システムによりハイレゾ化を行い初SACD化。音場、音質が鮮やかに向上しています。CD層も今回のリマスタリング音源を使用しています。

ここにはウィーン・フィルを母体としたウィーン室内合奏団の芸術が、1990年代初頭にそのピークを迎えた時期の録音が収められています。ウィーン室内合奏団は、1970年に不世出の名コンサートマスター、ゲルハルト・ヘッツェル(1940~92)が結成しました。結成当初は第2ヴァイオリンのヴィルヘルム・ヒューブナー(1914~96)、ヴィオラのルドルフ・シュトレング(1915~88)など、ボスコフスキー、バリリ、ウェラーといった歴代のコンサートマスター室内楽を組んでいた大ヴェテランが脇を固め、若きヘッツェルが「ウィーンの室内楽」の伝統を体得していった感がありましたが、80年代に入ると、メンバーの世代交代が進み、今度はヘッツェルが若きメンバーに対して、「ウィーンの室内楽」の伝統を継承し、新時代に合わせて発展させてゆく局面へと変化します。そしてメンバーの異動も落ち着き、高水準の演奏が安定して実現できるようになってきたことを機に、ヘッツェルは本格的なレコーディングをDENONレーベルに行います。1991年4~5月、1992年4月、同年6月と3回のセッションによりCD4枚分の録音が行われました(92年6月のベートーヴェンの七重奏曲と六重奏曲は、同年7月29日にヘッツェルが登山中に滑落死したため、ヘッツェル最後の録音となりました)。これらの録音の全てが、このセットに収められています。

4枚のうち3枚を占めるモーツァルトでは名作ディヴェルティメントの数々が、各パート1人の室内楽編成による最高の演奏で揃っています。モーツァルトの全作品中でも最高傑作の一つとして名高いK.334は、彼らの芸術の特質を伝えるとともに、この名曲の最高の名盤と呼べるものです。キリリと引き締まった造形の中で、弦楽器群の艶やかな響き、ウィンナ・ホルンの柔らかな奥深さ、両者が織りなすふっくらとしたハーモニー、歯切れの良いリズム、そして曲想に応じて音色の明暗が絶妙に変化して、作品の多様な情景を描き出すところなど、感覚的な美しさ、仕上げの美しさはもちろん、他の追随を許さない内容の深さを聴かせてくれます。また、このK.334とK.247、K.205でモーツァルトが作品用に作曲したとされる行進曲を先行して演奏しているもの注目されます。モーツァルト時代に、これらのディヴェルティメントが娯楽音楽用に演奏された際の、楽隊の入場シーンを彷彿とさせるからです。

ヘッツェル最後の録音となった2曲のベートーヴェンでも、彼らの多彩な音色、天衣無縫の合奏の妙、生き生きとしたリズムの魅力、喜悦に富んだ表情を愉しむことができます。そして、ちょっとした音色の明暗、表情の変化が「ウィーンの室内楽」に通底する深い味わいを伝えていることもモーツァルト同様の魅力となっています。

今回のORTマスタリングは、従来以上に間接音や倍音の豊かさ、個々の録音の特筆が把握できますので、その意味でも演奏の楽しみ方がより拡がる復刻となっています。90年代のデジタル録音とはいえ、当時の日本コロムビアには既にいくつもの経験とノウハウがありましたので、音質自体は元々良い、安定感があることは言うまでもありません。今回は、より鮮やかに、奥行きもあるクリアな音質を堪能できます。これらの最新復刻で、蘇った名盤の評価が一層高まることを期待します。尚、今回の第5回発売は、1タイトルを発売いたします。

【曲目】
<DISC1>
1. モーツァルト:行進曲 ニ長調 K.445(320c)
2. モーツァルト:ディヴェルティメント(第17番)ニ長調 K.334(320b)
3. モーツァルト:ディヴェルティメント(第1番)変ホ長調 K.113(初稿)

<DISC2>
4. モーツァルト:行進曲 へ長調 K.248
5. モーツァルト:ディヴェルティメント(第10番)へ長調 K.247
("第1ロドゥロン・ナハトムジーク")
6. 行進曲 ニ長調 K.290(167AB)
7. ディヴェルティメント(第7番)ニ長調 K.205(167A)

<DISC3>
9. モーツァルト:ディヴェルティメント(第15番)変ロ長調 K.287(271H)
("第2ロドゥロン・ナハトムジーク")
10. 音楽の冗談 ヘ長調 K.522

<DISC4>
11. ベートーヴェン:七重奏曲 変ホ長調 作品20
~ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスクラリネット、ホルン、ファゴットのための
12. ベートーヴェン:六重奏曲 変ホ長調 作品81b~弦楽四重奏と2つのホルンのための

【演奏】
ウィーン室内合奏団

[DISC1]
ゲルハルト・ヘッツェル(第1ヴァイオリン)
ヨーゼフ・ヘル(第2ヴァイオリン)
ハット・バイエルレ(ヴィオラ)
アーダルベルト・スコチッチ(チェロ)
ヘルベルト・マイヤー(コントラバス)
フランツ・ゼルナー(ホルン)
フォルカー・アルトマン(ホルン)
ノルベルト・トイブル(クラリネット)
ヨーハン・ヒントラー(クラリネット)

[DISC2]
ゲルハルト・ヘッツェル(第1ヴァイオリン)
ヨーゼフ・ヘル(第2ヴァイオリン) (4,5)
ハット・バイエルレ(ヴィオラ)、
アーダルベルト・スコチッチ(チェロ)(4,5)
ヘルベルト・マイヤー(コントラバス)
フランツ・ゼルナー(ホルン)
フォルカー・アルトマン(ホルン)
ミヒャエル・ヴェルバ(バスーン)(6,7)

[DISC3]
ゲルハルト・ヘッツェル(第1ヴァイオリン)
ヨーゼフ・ヘル(第2ヴァイオリン)
ハット・バイエルレ(ヴィオラ)、
アーダルベルト・スコチッチ(チェロ)
ヘルベルト・マイヤー(コントラバス)
フランツ・ゼルナー(ホルン)
フォルカー・アルトマン(ホルン)

(DISC4)
ゲルハルト・ヘッツェル(ヴァイオリン)
ヨーゼフ・ヘル(ヴァイオリン)(11)
ハット・バイエルレ(ヴィオラ)
アーダルベルト・スコチッチ(チェロ)
ヘルベルト・マイヤー(コントラバス)(11)
ノルベルト・トイブル(クラリネット)(11)
ミヒャエル・ヴェルバ(ファゴット)(11)
エリック・テルヴィリガー(ホルン)
フォルカー・アルトマン(ホルン)(12)

【録音】
1991年4月29日-5月4日(DISC1,2)
1992年4月4-9日(DISC3)
1992年6月10-15日
ウィーン、カジノ・ツェーガーニッツ

【Original Recordings】
Producer: Takashi Baba
Balance Engineer: Gerhard Betz(DISC1&2,4)、Holger Urbach(DISC3)
Digital Editing: Emiko Saito

【原盤】
日本コロムビア

 

 

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