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SACDに特化した偏屈ブログ

ランゴーが17歳で完成させた交響曲第1番、初演者ベルリン・フィルによる109年ぶりの歴史的ライヴ録音

RUED LANGGAARD
SYMFONI NR. 1, KLIPPEPASTORALER
Berliner Philharmoniker, Sakari Oramo

ランゴー: 交響曲第1番「岩山の田園詩」
サカリ・オラモベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

タワーレコード


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1893年に生まれたルーズ・ランゴーはデンマーク音楽史上屈指の天才。11歳の時にオルガンを演奏してデビュー・コンサートを行い、これを聴いたグリーグは感心しただけでなく空恐ろしささえ感じたと言われます。交響曲第1番に取り組んだのは14歳の時。17歳の時に完成させました。曲は5つの楽章からなり、それぞれに「打ち寄せる波と垣間見える太陽」「山に咲く花たち」「過去からの声」「登山」「勇気」というタイトルが付けられ、交響詩風の構成となっています。しかし、演奏時間の長さとオーケストラ編成の巨大さが災いし、デンマーク管弦楽作品の演奏を使命とするデンマーク・コンサート協会は演奏を拒否。その後ランゴーは家族で時々訪れていたベルリンにアプローチし、アルトゥール・ニキシュに楽譜を託したところ、これが突破口となって初演が決まりました。マックス・フィードラーの指揮する総勢102名のベルリン・フィルによる1913年4月10日の初演は大成功で、19歳のランゴーは6回もステージに呼び出されたのでした。
初演後、ランゴーは演奏に使った総譜をベルリンの音楽研究所に寄贈しました。総譜は第2次大戦末期にソ連軍がモスクワへと持ち去ってしまいますが、1959年に当時の東ベルリンに戻って来ます。ここに収録されたのは、初演から109年を経たベルリン・フィルによる再演のライヴ録音です。低音を厚めに鳴らし、息の長い高揚やスケールの大きな音楽作りをするオラモの指揮にベルリン・フィルが応えた迫真の演奏で、後期ロマン派の濃厚かつ壮大な世界が広がります。SACDハイブリッドでの高音質リリースも嬉しいポイントです。
ナクソス・ジャパン

【曲目】
ルーズ・ランゴー(1893-1952): 交響曲第1番「岩山の田園詩/岸壁の牧歌」BVN 32(1908-1911)
ベント・ヴィルホルト・ニルセンの比較校訂版による世界初録音
1. I. Braendinger og Solglimt 打ち寄せる波と垣間見える太陽
2. II. Fjeldblomster 山に咲く花たち
3. III. Sagn 過去からの声
4. IV. Opad Fjeldet 登山
5. V. Livsmod 勇気

【演奏】
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
サカリ・オラモ(指揮)

【録音】
2022年6月16-18日
ライヴ
Philharmonie Berlin(ドイツ)

CD層…Stereo/SACD層…Stereo、マルチチャンネル

 

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