VIVA!SACD

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SACDに特化した偏屈ブログ

鈴木慶一 ヘイト船長とラヴ航海士

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1. 宜候(Yosoro)
2. おー、阿呆船よ、何処へ
3. 夢のSpiral
4. KeiichiからKeiichi
5. Sukanpin Again
6. 雨は、今日も、やみそうにない
7. 2粒の雨はひとひらの雪に
8. 自動販売機の中のオフィーリア
9. 偽お化け煙突
10. 煙草路地
11. Love & Hate
12. 白い浮標
13. An Old Chicken Boy
14. Boat of Fools


2008 SACD/CD-HYBRID ステレオ/マルチch






ムーンライダーズ鈴木慶一のソロアルバム。プロデューサーはサニーデイサービスの曽我部恵一。ふたりのケイイチによる航海音絵巻

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ゆらゆらとした「横揺れ」系で、初めて鈴木慶一作品に触れる私は面くらいました。。元々ハードロック野郎でしてこの不思議な世界観を飲み込むには時間がかかりましたが

聴き込むうちに奥行きの中に様々なしかけが盛り込まれており「むむ、これは面白いぞ」と
音もいいです。単に「綺麗な音」というだけでなくノスタルジーを感じさせる音作りで世界観をより表していますし、豊富な情報量は表現の幅を広げる、という「SACDは音だけにあらず」という持論に合ってて嬉しくなりますね。ラジオ放送の様な音があったり、船の中の籠もった様な音があったかと思うと息を呑む様な美しいピアノが飛び込んできたりと飽きません

試聴機で聴いてから購入するスタイルが定着してから、便利になったとはいえ一聴でのインパクトだけを狙った薄っぺらさが横行しているのと対極にあって音はさほど「ロック」ではないですが「反骨」「孤高」といったロックの本質を感じます

それでもステレオでは私の主食ではないためか「まあまあかな」な印象でしたが

マルチchを聴いてびっくりしました。まるで違う!
ふたりのケイイチも「メインはアナログモノラル(限定盤で発売)とSACDマルチ」と語っていただけの事はあります

CDやSACDステレオでも良い作品ですが、マルチの「ヘイト船長とラヴ航海士の操縦する船に乗っている」感覚に比べると「港から船が出て行くのを見ている」ぐらい違う
よりボトムの効いたマスタリングでロック度がましていますし、ステレオでは表現しきれていなかった音が出てきます。

CDとSACDステレオでもフォーマットの差による優劣だけでなく意図的に音を変えたところもあり、CD、SACDステレオ、SACDマルチとそれぞれ違った表情を持った贅沢なアルバム
HYBRIDディスクの特性を最大限に活用していると言えますね

随分と制作費高くついただろうな・・といらぬ心配をしてしまいますが
このご時世3000円も払わせるならここまでやってほしい、という気にさえなります


次作「シーシックセイラーズ登場」もめちゃくちゃ良いアルバムなので近いうちにレヴューします


recorded and mixed by RYO IKEUCHI
M12 includs materials recorded by MASAHIRO MATSUDA
assisted by SHINICHI TAKIZAWA,SHINNICHI FUKUDA

recorded at aLIVE RECORDING SUTUDIO,SOUND CREW SUTUDIO,and JAPAN INTERNATIONAL SOUND AND MAGIC STUDIO

5.1ch mixed by HIROSHI HARAGUCHI at SONY MUSIC SUTUDIO
assisted by HIROYA TAKAYAMA

CD masterd by MASAYA TAKISE
SACD and 5.1ch masterd by YUJI CHINONE

second mate:TADASHI”KAKU”YOSHIDA

boatswain : MASAKO NODA


executive producer CAPTAIN HATE and MASASHI IMAIZUMI


パフォーマンス★★★★
音質★★★★☆
サラウンド★★★★★
総合★★★★☆
お薦め度★★★★
:若干聴き手を選ぶかと思いますが、実に優れたアルバムです。サラウンドは本当に素晴らしい