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SACDに特化した偏屈ブログ

長老シチェドリン健在! リムスキー=コルサコフばりの音の魔術で自在に描く世界をゲルギエフが再現

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SACDハイブリッド盤。先頃(2009年11~12月)も感動の日本公演を行ったゲルギエフマリインスキー劇場管、今世界で一番熱い団体と申せましょう。今回の新譜は旧ソ連時代以来の重鎮シチェドリン作品集。ソ連作曲家同盟議長歴任のいわゆる体制側幹部だったため低く見る向きもありますが、ソヴィエト音楽の伝統を今日に継承する人間国宝的存在といえます。ゲルギエフシチェドリンを非常に高く評価し、積極的に演奏、録音することを宣言していて頼もしい限り。
 『魅せられた旅人』は演奏会用オペラと称される大掛かりな舞台を必要としない作品で、独唱は3人。2002年にマゼール指揮ニューヨーク・フィルで初演されましたが、ロシアでは何故か2007年まで演奏されませんでした。原作はショスタコーヴィチの『ムツェンスクのマクベス夫人』と同じニコライ・レスコフで、農奴の息子イワンが旅をするなかで修道院へ入ったり、タタールキリスト教に改宗させたり、ジプシー女に入れあげた皇子が出てきたりと抱腹絶倒の民話風小説。シチェドリンリムスキー=コルサコフばりの作曲技法と管弦楽法の魔術で見事に作品化しています。さらに彼の代表作『イワンと仔馬(せむしの仔馬)』や、先日の来日公演のアンコールで奏され、その演奏効果とボルテージの高さで聴衆を釘付けにした『お茶目なチャストゥーシカ』が入っているのも嬉しい限り。ゲルギエフとマリンスキー管の魔術に酔わされます。(キングインターナショナル)

 

【収録情報】
シチェドリン
・歌劇『魅せられた旅人』全曲
バレエ音楽『イワンと仔馬(せむしの仔馬)』より4篇
管弦楽のための協奏曲『お茶目なチャストゥーシカ』
 セルゲイ・アレクサーシキン(バス)
 クリスチーナ・カプスチンスカヤ(メゾ・ソプラノ)
 エフゲニー・アキーモフ(テノール
 マリインスキー劇場管弦楽団&合唱団
 ワレリー・ゲルギエフ(指揮)

 

 録音時期:2009年7月
 録音場所:マリインスキー劇場コンサートホール
 録音方式:デジタル(セッション)
 SACD Hybrid
 CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND

 


マリインスキーは元気ですね~。続々名演優良録音でリリースが続きます
自主レーベルと言っても、指揮者もオケもプロデューサーもエンジニアも超一流ですからね