復活祭後日曜日のための3つのカンタータ
クイケン&ラ・プティット・バンドによるOVPP方式(各声部1人)のバッハ・カンタータ・シリーズ第11弾。シリーズの折り返し地点となり、クイケンとラ・プティット・バンドの説得力ある演奏と質の良い音楽は、この新しいアプローチの重要性を立証しています。
このアルバムは復活祭後日曜日のための3つのカンタータを収録。復活祭から聖霊降臨日までの日曜日ごとに名前をつけられています。復活後第1主日は「生まれたばかりのように」、第2主日は「主の憐み」、第3主日は「喜びの叫びを上げよ」と言われます。(キングインターナショナル)
【収録情報】
J.S.バッハ:
・カンタータ第67番『死人の中より甦りしイエス・キリストを覚えよ』 BWV67
・カンタータ第85番『われはよき羊飼いなり』 BWV85
・カンタータ第12番『泣き、嘆き、憂い、慄き』 BWV12
ガーリンデ・サマン(ソプラノ)
ペトラ・ノスカイオヴァ(アルト)
クリストフ・ゲンツ(テノール)
ヤン・ファン・デル・グラッベン(バリトン)
ラ・プティット・バンド
シギスヴァルト・クイケン(指揮)
録音時期:2009年4月27、28日
録音場所:ベルギー、べーバー、ロザリオ音楽堂
録音方式:デジタル
SACD Hybrid
CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND
シギスヴァルト・クイケン ベルギーの古楽器演奏家。バロック・ヴァイオリン奏者・バロック・ヴィオラ奏者・指揮者として活躍している。ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者ならびにバロック・チェロ奏者の兄ヴィーラントや、フラウト・トラヴェルソ奏者ならびにリコーダー奏者の弟バルトルトとともに、「クイケン三兄弟」のひとりとして知られ、クイケン兄弟はいずれも、チェンバロ奏者グスタフ・レオンハルトとの精力的な活動でも名高い。
1972年シギスヴァルト・クイケンとグスタフ・.レオンハルトにより結成された。その名称と構成はルイ14世の宮廷におけるリュリのオーケストラにちなんでいる。レパートリーはイタリア、ドイツ・バロックから古典派にまで及び、基本的な楽器、演奏法、時代背景の研究による普遍的な演奏様式と解釈を導き続けている。その自然で美しい演奏は現在増えてきているオリジナル楽器のオーケストラのパイオニアにして最高峰と称されている。
これらもお薦め
最近古楽界で流行している「ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ」を伴奏パートに用いたシギスヴァルト・クイケンのヴィヴァルディ『四季』。S.クイケンは1979年の以来の2度目の『四季』録音。
ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラは一般的なチェロ奏法とは異なり、「スパッラ(肩)」という名前の通りヴァイオリンと同様に肩に掛けて演奏されます。音色はふくよかで柔らかく、低弦楽器のわりに繊細な響きを持っています。
S.クイケンはヴィオロンチェロ・ダ・スパッラの復元に力をいれており、コンサートでもしばしば演奏しています。清廉で快活、様々な仕掛けのある演奏で挑戦を続けるS.クイケンの成果を再度示した画期的なアルバムです。(キングインターナショナル)
ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラは一般的なチェロ奏法とは異なり、「スパッラ(肩)」という名前の通りヴァイオリンと同様に肩に掛けて演奏されます。音色はふくよかで柔らかく、低弦楽器のわりに繊細な響きを持っています。
S.クイケンはヴィオロンチェロ・ダ・スパッラの復元に力をいれており、コンサートでもしばしば演奏しています。清廉で快活、様々な仕掛けのある演奏で挑戦を続けるS.クイケンの成果を再度示した画期的なアルバムです。(キングインターナショナル)
2009年にリリースされたロ短調ミサの清冽な演奏で、大人数の合唱を用いないスタイル、いわゆる「OVPP(One Voice Per Part)」、各パート1名による合唱音楽の美しさを再認識させてくれたクイケン。
かつてレオンハルトの『マタイ受難曲』でコンサートマスターを務めていたクイケンが、今回はその『マタイ受難曲』でOVPPの手法を採用。総勢11名から成る声楽陣の澄んだ歌声に、第1オーケストラ12名、第2オーケストラ10名に振り分けられた「ラ・プティット・バンド」の精鋭たちが、しなやかで美しい器楽サウンドを絡めて見事な音響をつくりだしています。
低弦にヴィオラ・ダ・ガンバとバス・ヴィオールを用いたここでのしなやかなサウンドは、OVPPの声とよくマッチし、まさに「裸足」の敏感さで『マタイ』のドラマを進めてゆくかのような佇まいが印象的です。
OVPPの『マタイ』としては、2002年に録音されたマクリーシュ盤や、2007年録音のダンディン・コンソート盤が有名ですが、今回のクイケン盤は、同じくピリオド様式&OVPPとは言え、より繊細で曲線的な美しさの際立っているのがポイント。
聴きなれた少年合唱が一人のソプラノに置き換えられるなど、OVPPならではの大胆な手法には賛否もいろいろあるのでしょうが、この清澄な美しさはやはり魅力的です。
環境の問題もあり、録音にはかなり苦労したということですが、それだけ入念に仕上げられたセッション録音ということで、サウンド面でのクオリティの高さには素晴らしいものがあります。
かつてレオンハルトの『マタイ受難曲』でコンサートマスターを務めていたクイケンが、今回はその『マタイ受難曲』でOVPPの手法を採用。総勢11名から成る声楽陣の澄んだ歌声に、第1オーケストラ12名、第2オーケストラ10名に振り分けられた「ラ・プティット・バンド」の精鋭たちが、しなやかで美しい器楽サウンドを絡めて見事な音響をつくりだしています。
低弦にヴィオラ・ダ・ガンバとバス・ヴィオールを用いたここでのしなやかなサウンドは、OVPPの声とよくマッチし、まさに「裸足」の敏感さで『マタイ』のドラマを進めてゆくかのような佇まいが印象的です。
OVPPの『マタイ』としては、2002年に録音されたマクリーシュ盤や、2007年録音のダンディン・コンソート盤が有名ですが、今回のクイケン盤は、同じくピリオド様式&OVPPとは言え、より繊細で曲線的な美しさの際立っているのがポイント。
聴きなれた少年合唱が一人のソプラノに置き換えられるなど、OVPPならではの大胆な手法には賛否もいろいろあるのでしょうが、この清澄な美しさはやはり魅力的です。
環境の問題もあり、録音にはかなり苦労したということですが、それだけ入念に仕上げられたセッション録音ということで、サウンド面でのクオリティの高さには素晴らしいものがあります。