


第一部
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第1曲 朝の陽に輝くエデンの門前に第2曲 何と幸福にさまようのだろう、あの聖霊たちは第3曲 光の戸口を守る気高い天使がこの言葉を聞きつけた第4曲 それをどこで見つけよう? 天の心を満たすその贈り物は第5曲 ペリはこんな思いに耽りながら、翼をゆすった第6曲 しかし、今やその国の流れは第7曲 ひとりの若者が尚も孤独に踏みとどまっている第8曲 悲しや、悲しや、彼は的を外した第9曲 ペリはその深い傷痕を見た第二部
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第10曲 ペリはおずおずした足どりでエデンの門に歩み寄る第11曲 ペリの最初の天国への希望は消えた第12曲 あの空気の子は、エジプトの王たちの第13曲 ペリが泣く第14曲 緑の森の中で、静かな湖畔で第15曲 見捨てられた若者に第16曲 おお、あなたから吐き出された至福の空気第17曲 今は眠れ、香り高い夢に包まれて憩え第三部
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第18曲 アラーの王座に至る階段を飾ろう第19曲 遠い歌声に耳を傾けながら第20曲 まだ門前払いだ!またしても黄金の玄関が締め切られた!第21曲 今や夕べの黄金の光は第22曲 やがてペリが下界に舞い降りると第23曲 あの太陽の寺院へ降りていこう!第24曲 おお、心の底から悔恨の聖なる涙よ第25曲 六月の暑熱に灼れて、一滴の滴がエジプトの大地に落ちる(四重唱)第26曲 喜び、永遠の喜び、私の仕事は成し遂げられたシューマンが、初めて取り組んだ大規模なオラトリオ「楽園とペリ」。
作曲は1843年、シューマン33歳の年で、初演は大成功を収め、作曲家シューマンの名を世間的に大いに広めた作品なんだそうです。 アイルランドの詩人トマス・ムーアのペルシア神話に題材を求めた物語詩「ララ・ルーク」のドイツ語訳を歌詞とし、独唱、合唱、管弦楽によるこの大作は、26曲から構成されてます。罪を犯して楽園を追放された妖精ペリが、様々な試練を乗り越え再び楽園へ戻る・・という内容ドロテア・レッシュマン(ソプラノ、ペリ)
マリン・ハルテリウス(ソプラノ)
レベッカ・マーティン(メゾ・ソプラノ)
ベルナルダ・フィンク(アルト)
クリストフ・シュトレール(テノール)
ヴェルナー・ギューラ(テノール)
クリスティアン・ゲルハーヘル(バリトン)
ゲラルト・ホイスラー(バス)
でSACD2枚組み(disc1 56:46 disc2 44:24)というヴォリュームで。宗教曲、ドイツ語歌詞、しかも私が購入したのは輸入盤という事もあって意味はさっぱり・・しかし、冒頭からの美しい旋律、独唱陣の説得力ある感情豊かな表現力に一気に引き込まれます。音楽の持つ力、活字や朗読では意味が分からなくても、音楽だと何かが伝わる。映像があるよりも「音」だけだからこそ広がる想像力、感情移入が出来ると思います。それに宗教曲という小難しさは不思議と無く、何か世俗的な薫りがする気がします。「声楽はちょっと・・」という方にもお薦めできる。SACDはヴォーカルの表現力に特に効果を発揮すると私は思います。それにしても、これまであまり気にしていなかったシューマンがこれほど素晴らしい曲を書くとは・・という新たな発見の嬉しさ。ドラマチックで迫力ある展開と、美しき繊細なメロディとのコントラストがニクイまでに心を鷲掴みにされます。なんと言ってもそれぞれ素晴らしい歌唱を聴かせてくれる。個人的にはペリ役のレッシュマンとテナーのシュトレールの存在感、特に5のシュトレールの第一声にゾクゾクします。なんという憂いと深みだろうか・・怒涛の展開にハラハラドキドキの第一部に対し、第二部は邦題からも察することが出来るもの悲しい展開。そして第三部のラストに向かう盛り上がりは大興奮。オケの入り方が絶妙でまた音色も素晴らしい。 -
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全曲通して聴くもよし、章ごとに味わうもよし。あまりに長編と尻込みする事の無い、かえってこのヴォリュームが贅沢でよいという気にもなります。欧州では人気曲でよく上演されるそうですが、日本ではほとんどお目にかかれないので、このアルバムはその点でも美味しいでしょう。CDで聴いても勿論素晴らしいのでしょうが、やはりこの迫力と臨場感はSACDで味わって欲しいし、さらにはサラウンドでも。次の「スターバトマーテル」と共にトップクラスのサラウンド。サラウンド構築済みの方はもれなくお聴きになる事を推奨します。「感動」という言葉がふさわしい体験が出来ます。2005年ミュンヘン・ヘルクレスザール録音(ライヴ)プロデューサー:WOLFRAM GRAUL FRIEDEMMANN ENGELBRECHTエンジニア:KLEMANS KAMP MICHAEL BRAMMANNマスタリング・エンジニア:MONICA GRAUL
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お薦め度:★★★★★
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