VIVA!SACD

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SACDに特化した偏屈ブログ

R-ResonanceからSACD第2弾はストラヴィンスキー『春の祭典』『ペトルーシュカ』青柳いづみこ&高橋悠治(1台4手連弾)

ストラヴィンスキー : 春の祭典 | ペトルーシュカ (Stravinsky : Le Sacre du printemps | Petrouchka / Izumiko Aoyagi | Yuji Takahashi) [SACD Hybrid] [日本語解説書付]


音楽史に残る"事件"となった『春の祭典』の初演。その1年前、ドビュッシーは評論家ルイ・ラロワの別荘で、ストラヴィンスキー自身とこの曲を連弾している。ドビュッシーが「美しい悪魔」と呼んだ『春の祭典』は、斬新な和声と野生のリズムで20世紀を代表する作品となった。1968年、作曲者の依頼で連弾版を初演したのは、新進指揮者のティルソン・トーマス。同年、タングルウッド音楽祭でトーマスと連弾版を弾いた高橋悠治は、半世紀を経た共演者に青柳いづみこを指名。
 
作曲家、ピアニストとして今日の音楽を牽引してきた高橋悠治、フランス音楽のスペシャリスト、また研究者、著述家として常に新たなテーマに挑戦しつづける青柳いづみこ。鮮やかなコントラストを描く2人の稀有な個性が反応し合い、ストラヴインスキー音楽の本質を抉る録音が完成しました。
春の祭典」の複雑なテクスチャーが透けて見えるような変拍子の冴え、抜群のリズム感覚、強靭なドライブ感。人間になれなかった「ペトルーシュカ」の悲しみの向こうに漂う儚い抒情。作品への透徹した眼差しが生み出した鮮烈なピアニズムは、圧倒的な説得力をもって聴くものに迫ります。
驚くほどの集中力を発揮する2人のピアニストが到達した異次元の高み、その張り詰めた空気感を余すところなくとらえたのは数々の名録音で知られる名匠・深田晃氏。音の鮮度とクオリティーの高さを充分に発揮させるために、SACDハイブリッドでのリリースとなりました。
ライナーノートは青柳いづみこ高橋悠治による特別寄稿に加え、新進気鋭のストラヴィンスキー研究家、池原舞氏(音楽学者)の書き下ろし楽曲解説を掲載。読み物としても充実した内容となっています。
曲目はストラヴィンスキーバレエ音楽春の祭典』『ペトルーシュカ』で、ボーナストラックとして『3つのやさしい小品』が収録されています。
R-Resonance
 
■ライナーノート:青柳いづみこ高橋悠治、池原舞(すべて書き下ろし)
■録音日:2017年6月27、28、29日
■録音場所:五反田文化センター 音楽ホール
 
ペトルーシュカ(1911) Petrushka
ロシアの市場のカーニバルで、手品師が笛を吹くと、芝居小屋から3体のわら人形、ペトルーシュカバレリーナムーア人が出てきて、ロシア舞曲を踊る。ペトルーシュカバレリーナに恋するが、冷たくあしらわれ、ムーア人に斬り殺される。死んだペトルーシュカは人形にもどる。手品師がそれを片付けるようとすると、ペトルーシュカの幽霊が屋根の上に現れる。
ロシア民謡などの断片を抽象化・並列・重ね合わせ・切断するキュビズムの技法、感情移入なくアイロニカルな距離をたもつストラヴィンスキーの作曲法を確立した作品。

春の祭典(1913) The Rite of Spring
ストラヴィンスキーの見た古代の祭の幻、長老たちが輪になって見まもるなかで死ぬまで踊る生贄の少女。リトアニアやロシアの民謡を抽象化し断片化したパターンを積み重ねたブロックが、不規則なリズムで入れ換わる。ピアノ4手版は初演以前に作曲者とドビュッシーの連弾で試演され、初演以前に出版された。一台のピアノでストラヴィンスキーの傑作「春の祭典と「ペトルーシュカ」を演奏。バレエとして初演されたのは1911年と1913年。今日ではオーケストラで演奏されることが多いが、、ピアノ連弾版は作曲者自身の編曲によるもので、一台のピアノとは思えないような色彩に満ちた音が溢れ出す。<高橋悠治

 

日本で一番新しいクラシックレーベルR-ResonanceからSACD第2弾です。
 
今回もレコーディングエンジニアは深田晃氏
イメージ 3CBS/SONY(現Sony Music Entertainment)録音部チーフエンジニア、NHK番組制作技術部チーフエンジニアを歴任。数々のCD制作及びTV、映画音楽制作に関わる。1997年には独自のサラウンド録音方法である「Fukada Tree」を発表し、サラウンド録音の第一人者として広く知られる。 AES(Audio Engineering Society) Fellow、英国IPS(Institute of Professional Sound)会員。
 
イメージ 2『デュオ・コンチェルタンテ』