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SACDに特化した偏屈ブログ

イギリス陸軍兵士が戦場で弾いたトレンチ・チェロでも演奏。 イッサーリスが戦時のチェロ作品を味わい深い音色で奏でる

Various: the Cello in Wartime

The Cello in Wartime - Isserlis / Shih

毎回趣向を凝らしたテーマでアルバムを発表しているスティーヴン・イッサーリス。今回は「戦争の影で」(BIS SA 1992)の続編で「戦時のチェロ曲」をリリースします。「戦争の影で」は協奏作品集であったのに対し、今回は室内楽作品を集めました。当作品も作曲年代は異なりますが、いずれも世界大戦を背景にしている作品を収録。注目は、「白鳥」「イェルサレム」「Keep the Home Fires Burning」「神よ国王を護り賜え」の4篇を第一次世界大戦時にイギリス陸軍兵士が戦場で弾いたトレンチ・チェロを用いて録音をしていることです。この楽器はイギリス陸軍に従軍していたアマチュアチェリストが作ったもので弾薬箱を胴に使い、持ち運びの際には弓などを箱の中にしまえるようにしたものです(楽器の写真はブックレットに掲載されております)。イッサーリスは以前よりトレンチ・チェロに注目しておりこの楽器がもつ心を打つ音色を大事にしながら思いを込めて演奏しました。イッサーリスが描く戦時に思いを馳せた興味深いアルバムです。(キングインターナショナル)
 
【曲目】
(1)ドビュッシー(1862-1918):チェロ・ソナタ L.144
(2)ブリッジ(1879-1941):チェロ・ソナタ H.125
(3)フォーレ(1845-1924):チェロ・ソナタ第1 番 ニ短調 Op.109
(4)ヴェーベルン(1883-1945):チェロとピアノのための3 つの小品 Op.11
(5)サン=サーンス(1835-1921):白鳥
(6)ヒューバート・パリー(1848-1918):イェルサレム
(7)アイヴァー・ノヴェロ(1893-1951):「Keep the Home Fires Burning」
(8)トラディショナル:「神よ国王を護り賜え」

【演奏】
ティーヴン・イッサーリス
((1)-(4)チェロ;ストラディヴァリウス1726年'Marquis de Corberon'、
(5)-(8)トレンチ・チェロ;W.E.Hill and Sons,c.1900)、
コニー・シー(ピアノ;Steinway D)

【録音】
セッション録音:2016年11月/ポットン・ホール(サフォーク州/イギリス)
 
 
過去にイッサリースが演奏したトレンチチェロの動画がアップされてました。非常に興味深いアルバムです

 
イメージ 2In the Shadow of War - Steven Isserlis/Hugh Wolff/GáborTakács-Nagy
イメージ 3reVisions - Steven Isserlis/Gabor Takacs-Nagy
イメージ 4Martinu: Cello Sonatas - Steven Isserlis/Olli Mustonen