ゲイリー・ピーコック『テイルズ・オブ・アナザー』
後のスタンダーズ・トリオの原点を記録したゲイリー・ピーコックのECM初リーダー作!今となっては“キース・ジャレット・スタンダーズ・トリオ”の原点というべき顔ぶれでの1977年のECM作品。しかし、表向きはベーシスト、ゲイリー・ピーコックのECM初リーダー作であり、そこに参加したピアニストがキース・ジャレット、ドラムスがジャック・ディジョネットというピアノ・トリオによるクリエイティヴィティに満ちたセッションを記録した一作。楽曲は全曲ピーコック作曲のオリジナルで、3者によるインプロヴィゼーションは、それぞれが培ってきた音楽性が交錯し、繊細なサウンドと緩急に満ちたパルスを生み出していく。このアルバムのレコーディングはニューヨークのジェネレーション・サウンド・スタジオで行われ、オリジナル録音エンジニアはトニー・メイ(ECMでの代表作品は『リターン・トゥ・フォーエヴァー』など)、オリジナル・ミックス・エンジニアはマルティン・ヴィーラント(ECMでの代表作品は『ザ・ケルン・コンサート』など)がそれぞれ担当した。
アメリカ、ノルウェー、ブラジルの3人のミュージシャンによる美しく、透明感にみちた音楽!きっと世の中にはどこかにこういう音楽がいつも流れている国があって、でもそれが一体何と言うジャンルの音楽なのか、誰も分からないのだろう。1979年、オスロのタレント・スタジオで、アメリカのベース奏者チャーリー・ヘイデン、ノルウェーのサックス奏者ヤン・ガルバレク、ブラジルのギタリスト兼ピアニスト、エグベルト・ジスモンチという国籍も音楽性も全く違う3人が同時に音を出すとこうなった、という例えようのない美しい音楽。14分におよぶ1曲目“バイラリーナ(バレリーナ)”を除き、メンバーそれぞれのペンによるオリジナル曲を収録。ヘイデンの夢幻の低音が奏でる中を、ガルバレクの北欧の荒涼とした情景を想起させるソプラノ・サックス、ジスモンチの柔らかな日差しのようなアコースティック・ギターのアルペジオによる究極のECMサウンドが広がる。瞑想と沈思が同時に巡るような不思議な体験。オリジナル録音エンジニアはヤン・エリック・コングスハウク。
1982年北米ツアーのパフォーマンスを収録したPMG初のライヴ・アルバム!パット・メセニーがECMレーベルで、パット・メセニー・グループ(PMG)名義で創り続けてきた音楽は、聴衆をともなった音響効果の高いライヴ空間でもそれが通用するということを本作で証明した。PMGとしての初のライヴ・アルバムであり、ECMレーベルでのパット・メセニーのアルバムとしては唯一の2枚組のヴォリュームとなった傑作。1983年発表。収録曲は1982年のアルバム『オフランプ』リリース後の北米ツアーでダラス、フィラデルフィア、サクラメント、ナカドーチェスの4都市、郡で行われたパフォーマンスからベストなテイクを収録。代表曲“ついておいで”で始まり、ラストの“想い出のサン・ロレンツォ”まで、変化に富んだ音楽性ゆえ、ドラマティックに展開し、聴いていると誰もがどこかを旅しているような、そんなイマジネイティヴな気分にさせられる。ライヴならではの圧倒的な臨場感と録音の良質さがリアルな音像を作り上げる。オリジナル録音エンジニアはヤン・エリック・コングスハウク。