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SACDに特化した偏屈ブログ

イブラギモヴァ率いるキアロスクーロ四重奏団によるシューベルトの“死と乙女”

Death and the.. -Sacd-

シューベルト弦楽四重奏曲第9番&14番「死と乙女」 キアロスクーロ四重奏団

 

 
今をときめくヴァイオリニスト、アリーナ・イブラギモヴァ率いるキアロスクーロ四重奏団。BISレーベルからリリースしているハイドン弦楽四重奏曲第31-33番(BISSA2158/KKC5677)、第34-36番(BISSA2168/KKC5832)が高く評価される中、期待の新譜はシューベルト弦楽四重奏曲第14番『死と乙女』と第9番です。古典派と初期ロマン派のレパートリーに特化して当団の期待の高まる録音です。

1815年作曲の第9番ト短調。同年、歌曲、教会音楽、ピアノ・ソナタなど多数の作品を残した実りの年でした。ハイドンモーツァルトの影響が見受けられるものの、シューベルトの個性も明確になりつつある作品で、本格的な短調の作品はこれが最初となります。
そして、シューベルトの傑作の一つである第14番ニ短調『死と乙女』。第2楽章に歌曲『死と乙女』Op.7-3 D.531のピアノ伴奏部を借用したのでこの通称を持ちます。全体を通じ、ロマン的な情趣に満ちており、ことに第1楽章の主題のもつインパクトと悲愁が印象的です。

2005年に当時英国王立音楽大学(RCM)で学んでいた友人を中心に結成し、近年アンサンブルが成熟してきたキアロスクーロ四重奏団。団体名の“Chiaroscuro(キアロスクーロ)” は美術用語で、コントラストを印象づける明暗法や陰影法を意味しますが、その名の通りシューベルトの溢れる魅力を再発見させてくれているような見事な解釈を披露しております。
(キングインターナショナル)
【曲目】
フランツ・シューベルト(1797-1828):
1.弦楽四重奏曲第14番 ニ短調 D.810『死と乙女』(40’11”)
2.弦楽四重奏曲第9番 ト短調 D.173(21’53”)
【演奏】
キアロスクーロ四重奏団
【アリーナ・イブラギモヴァ(第1ヴァイオリン)、パブロ・エルナン・ベネディ(第2ヴァイオリン)、エミリー・ヘルンルンド(ヴィオラ)、クレア・ティリオン(チェロ)】【録音】
2017年3月、ドイッチュラントフンク・カンマームジークザール(ケルン)[セッション録音]



 

 
イメージ 2ハイドン弦楽四重奏曲第34、35、36番
 
イメージ 3ハイドン弦楽四重奏曲第31、32、33番