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SACDに特化した偏屈ブログ

名盤待望の再発売!クイケン&ラ・プティット・バンド~J.S.バッハ:マタイ受難曲

Matthaus-Passion -Sacd-

 
 
入手困難になっていたクイケンの「マタイ受難曲」。少し前に「クリスマス・オラトリオ」が再リリースされたので望みを持っておりましたが、目出度く復活です。私の大のお気に入りの名盤です。財政難のラ・プティット・バンドを救うためにももう1枚(3枚組ですが)買っておこうかな。
まだ持ってない、という方は是非この機会に。2009年DSD録音の名盤です

2010年にリリースされた各パート1人の「OVPP(One Voice Per Part)」によるクイケンの名盤『マタイ』が再発売されます。流通が滞っておりましたが、これでまた安定供給となります。

声楽陣の気高く澄んだ歌声にラ・プティット・バンドの精鋭たちのしなやかで美しい器楽サウンドが絡まり、見事な音響が作られています。低弦にヴィオラ・ダ・ガンバとバス・ヴィオールを用いたサウンドも印象的。
OVPPの『マタイ』としては、2002年に録音されたマクリーシュ盤や、2007年録音のダニーデン・コンソート盤が有名ですが、このクイケン盤は、同じくピリオド様式&OVPPとは言え、より繊細で曲線的な美しさが際立っているのがポイント。聴きなれた少年合唱が一人のソプラノに置き換えられるなど、OVPPならではの大胆な手法には賛否もいろいろあるのでしょうが、この清澄な美しさはやはり魅力的です。
環境の問題もあり、録音にはかなり苦労したということですが、それだけ入念に仕上げられたセッション録音ということで、サウンド面でのクオリティの高さには素晴らしいものがあります。
(キングインターナショナル)
【曲目】
J.S.バッハマタイ受難曲 BWV244

【演奏】
ゲルリンデ・サーマン(ソプラノ1)
マリー・クイケン(ソプラノ2)
ペトラ・ノスカイオヴァ(アルト1)
パトリツィア・ハルト(アルト2)
クリストフ・ゲンツ(テノール1:福音史家)
ベルンハルト・フンツィカー(テノール2)
ヤン・ファン・デル・クラッベン(バス1:イエス
マルクス・ニーダーマイア(バス2)
エミリエ・デ・フォフト(リピエーノ、下女、ピラトの妻)
オリヴィエ・ベルテン(ペテロ、ピラト、祭司長2)
ニコラス・アクテン(ユダ、大祭司カヤバ、祭司長1)

ラ・プティット・バンド
シギスヴァルト・クイケン(指揮)

Cables: Siltech
Digital Converters: DCS
Microphones: Sonodore
Producer: Bert van der Wolf
Recording Engineer: Bert van der wolf, Fir Suidema
Recording location: Predikherenkerk, Leuven Belgium
Recording Software: Pyramix
Recording Type & Bit Rate: DSD64


【録音】
2009年4月5-9日(セッション)、Predikherenkerk, Leuven, Belgium

 
Amazonレビューでも絶賛ですね~
 
【「OVPP方式はダメ!」という人も少なくないように思うが、これを聞いたら私はむしろ「OVPP方式じゃないどダメ!」と思えてきた。「薄っぺらい」などという批判は的外れで、この盤は重厚さではなく、緻密なアンサンブルを楽しむものだと思う。それから特に気に入ったのはアルト。今までのマタイ受難曲のアルト(カウンターテナー)は重くコッテリしすぎていて好きになれなかった。しかしこの盤のアルトはまるでソプラノのような澄んだ響きで歌ってくれる。アリア''Buß und Reu''などはまさに極上。】しもん教授
 
【これ以上精緻な演奏があるだろうか。
ここの完成と技量が最も研ぎ澄まされた状態で紡ぎあげるアンサンブル。
これ以上、マタイには何を望めばいいのか、私にはわからない。S&P
 
こちらを圧倒するような重厚さや荘厳さではなく
優しく柔らかい繊細さ、アンサンブルの見事さが際立ちます。
なんと例えたらいいか分かりませんが、綺麗、繊細です。
テンポは遅くは無い、早めだと思います。コーラスに聴きほれます。】MIKO
 
抑制され中庸な演奏。とにかく、音がきれい。録音が良い。OVPP(One Voice Per Part)、すなわち、各パート1名である上に、ドイツ語を丁寧に歌ってるので言葉がよく聞こえる【注】。レオンハルト盤(1989年録音)もインテンポの演奏だったがところどころ速い箇所があったのに対し、このクイケン盤は、完全なインテンポで演奏されている(テンポは速すぎず中庸に思える。演奏時間は約 157 分)。単調で劇的表現に欠けるので、聴き終えたあとの感動は正直言って無かった。しかし、ことさら、茨の冠を付けられ殴られ血だらけになったイエスを強調しリスナーの憐憫(れんびん)の情を誘う演奏へのアンチテーゼとも受け取れるルポルタージュ的演奏は整然としていて、私に(何十回と聴いた)バッハの最高傑作であるマタイをもう一度一歩引いて聴き直す気にさせる。そして、マタイ受難曲のテキストをもう一度読み直す機会を与えてくれた。】KM

 
 
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