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SACDに特化した偏屈ブログ

Reference Recordingsからロシア出身若手実力派エルミタージュ・ピアノ・トリオがラフマニノフでデビュー

エルミタージュ・トリオ
Reference Recordings
 
 
2011年に結成されたエルミタージュ・トリオ。2007年の第13チャイコフスキー国際コンクール・チェロ部門優勝のセルゲイ・アントノフをはじめ、ロシア系の3名による超高性能ピアノ三重奏団。彼らがラフマニノフに挑戦しました。チャイコフスキー以来、ロシアの作曲家は特別な人の追悼にピアノ三重奏曲を作ることが慣わしとなりました。189310月にチャイコフスキーが急逝すると、ラフマニノフは長大かつ感動的な作品をその霊に捧げました。長さ、構造など「偉大な芸術家の思い出」を意図的に真似ていますが、ピアノが主役で非常に技巧的なのがラフマニノフならでは。意味深長な引用や慟哭などチャイコフスキーへの思いにあふれる重い作品となっています。
 
 単一楽章の習作的なピアノ三重奏ももちろん収録されていますが、注目なのはラフマニノフの親友だった作曲家ユーリ・コニュスがピアノ三重奏に編曲した「ヴォカリーズ」が収録されていること。コニュスはもともとヴァイオリニストでもあり、弦の特性を知り尽くしていたうえ、後に息子がラフマニノフの次女と夫婦になるという因縁もあります。効果と美しさに満ちたアンコールとなっています。
トリオ・ワンダラーの演奏は辛口で緊張感に富むもので、凄みすら感じさせます。ピアノのヴァンサン・コックが、ラフマニノフのヴィルトオーゾ風パートで充実の名手ぶりを示しているのも聴きものです。
キングインターナショナル
 
 
【曲目】
 
 
 
(2)ピアノ三重奏曲2 ニ短調Op.9「悲しみの三重奏曲」(1917 年版)
 
(3)ヴォカリーズOp.3412(ユーリ・コニュス編ピアノ三重奏)*
 
 
 
【演奏】
 
エルミタージュ・トリオ
 
【ミーシャ・カイリン(ヴァイオリン)、セルゲイ・アントノフ(チェロ)イリヤ・カザンツェフ(ピアノ)
 
* World Premiere recording of piano trio transcription by Julius Conus 
 
【録音】
 
201793-7/メカニクス・ホール(マサチューセッツ)
Hybrid SACD 5.1 & Stereo, CD Stereo, and HDCD
 
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