VIVA!SACD

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SACDに特化した偏屈ブログ

ステレオサウンドSACD バルバラ『ボビノ座のバルバラ・リサイタル ’67』、フランク・シナトラ・ウィズ・カウント・ベイシー・オーケストラ『シナトラ・ライヴ・アット・ザ・サンズ』がSACDシングルレイヤー+CDで

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フランク・シナトラ・ウィズ・カウント・ベイシー・オーケストラ『シナトラ・ライヴ・アット・ザ・サンズ』(Single Layer SACD+CD・2枚組)

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『シナトラ・アット・ザ・サンズ』は、フランク・シナトラカウント・ベイシー・オーケストラ(指揮はあのクインシー・ジョーンズ!)を引き連れて、ラスヴェガスのサンズ・ホテルで行なったライヴを収録したアルバムで、録音日は1966年1月26~29日、2月1日。この間に開催された計10回のショウから選りすぐりの21曲を2枚組LPに収めて、1966年8月に発売されました。発売後、44週ビルボードにチャートインしてゴールド・ディスクに認定、それから半世紀以上が経過したいまも、世界中のオーディオファイルの大定番であり続けているのは皆さんもよくご存じの通りでしょう。


 さて、今回のステレオサウンド版『シナトラ・アット・ザ・サンズ』のマスターとなったのは、米国保管のLP用カッティングマスター。レコードの各面(2枚組なのでA~D面)用に分けて残されていた計4本のアナログマスターテープを米国でデジタル(PCM・192kHz/24bit)化し、DSDマスターは日本のソニー・ミュージックスタジオで制作しています。この最終の音づくりを手掛けたのは、弊社松田聖子SACD等ですっかりお馴染みとなった、世界を代表するエンジニアの鈴木浩二氏。おそらく世界でもっとも多くのSACDマスタリングを手掛けているであろう経験豊富な鈴木エンジニアが、いつものようにマスター音源を尊重した丁寧なマスタリングを実施し、あのライヴ盤の興奮を、そのまま1枚のSACDに封じ込めています。同梱されるCDのための音声には、SACD用のDSDデータをもとにして、CDの器に最適化したマスタリングを施していますので、SACDプレーヤーをお持ちでない方も弊社が追い求めるベストサウンドをご享受いただけることでしょう。レーベル面はともに信号読み取り用レーザーの乱反射を抑える効果があるとされるグリーンレーベルコート(音匠仕様)です。

 


Frank Sinatra Live At The Sands Where or When

 

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バルバラ『ボビノ座のバルバラ・リサイタル ’67』(Single Layer SACD+CD)

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エディット・ピアフとともにフランスを代表するシャンソン歌手のバルバラ(1930-1997)。オーディオ界では、今は亡き瀬川冬樹氏が愛聴されていたことでも有名です。そのバルバラが1966年12月にパリのボビノ座で行なったリサイタルを収めたのが、本作『Barbara Bobino 1967』。日本では『ボビノ座のバルバラ』の邦題で広く知られている、1967年に旧フランス・フィリップスから発売されたこのアルバム、LP時代では瀬川冬樹氏と柳沢功力氏が、CD時代になってからは和田博巳氏がオーディオ機器の試聴やオーディオショウ等で積極的にデモンストレーションに使ってこられたため、オリジナルフォーマットでのディスクが入手困難な現在であっても、その音を耳にしているオーディオファイルは、世代を問わず大勢いらっしゃることと思われます。

 アコーディオンのジョス・パセリとアコースティックベースのミッシェル・ゴードリーという二人の名手が、さりげなく、かつ的確に、ピアノを弾きながら歌うバルバラをサポート。そんな三人がボビノ座の空間で奏でた音楽は、まさにインティメイトという言葉がふさわしいでしょう。

 この『ボビノ座のバルバラ』がいよいよステレオサウンド社から、音匠仕様(グリーンレーベルコート)のシングルレイヤーSACD(+同内容のCD)の2枚組で登場いたします。世界初SACD化であることはもちろん、不思議なことに日本盤でのデジタルディスクでの発売は今回が初となります。


 マスターとしたのは、フランス・フィリップスを経てユニバーサルミュージック・フランスのテープ保管庫に厳重に保管されていた、初回LPのためのカッティングマスターです。本作には2007年にマーキュリー・レーベル(ユニバーサルミュージック・フランス傘下)より発売された16曲入りヴァージョンのCD(輸入盤のみ)もありますが、広く知られるLPとは編集(や曲順)が異なり作品の印象が大きく変ってしまっているため、今回はあえて10曲にまとめられたオリジナルLPに準じた復刻を行なっています。

 マスタリングを担当したのは、パリで「DES Studio Paris」を主宰するPoussin氏。DSDの扱いにかけてはフランス国内では指折りの実力者と、ユニバーサルミュージック・フランスが太鼓判を押すエンジニアです。ステレオサウンド社からの3つのリクエスト(①アナログテープの扱いに長けている方、②DSD信号の扱いに長けている方、③フランス語特有のアクセントが身体に染みついている方)に加えて、国境を越えるマスターテープの持ち出しを認めないというユニバーサルミュージック側の条件をすべて満たすパーフェクトな人選であり、結果的にそれが間違いではなかったことは完成したディスクの音が証明しているでしょう。

 事前打合せを含むと数ヵ月におよんだディスカッションの末、マスタリングの手法が決定。テープの保存状態は良好とのことでしたが、ある程度の経年劣化があることを予想して、スチューダーのA80MK2の再生音声をマンレイ・ラボのイコライザーを使ってごくわずかに補正し、デジタル(PCM・192kHz/24bit)化。それをマスターにして、SACD用とCD用のそれぞれに仕上げの別マスタリングを実施した後、ディスク化を行なっています。オリジナルマスターを尊重しつつも、フランスの薫りにあふれたPoussin氏の見事な仕事ぶりをぜひとも、あなたのオーディオシステムで体験ください。

 


Ma Plus Belle Histoire D'Amour (En Public Bobino 67)