Myrios から久々のSACDリリースです。数年前、通常CDリリースばかりになったMyriosに「SACDリリースして下さい」 と要望したところ「もうSACDは終わりますから」とつれない返事。「後で吠え面かくなよ!」と頭脳警察「ふざけるんじゃねよ」ばりに憤慨したものですが、吠え面かきよりました。今さらジロー、あたしを捨てて他の女を愛したくせに・・とは言いますまい。買いますよ、おかえりMyrios
今や世界中で評判となっている指揮者フランソワ=グザヴィエ・ロト。ロトとケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団は、これまでに同オーケストラが世界初演したマーラーの交響曲第3番(KKC.5999)と5番(KKC.5842)をリリースし、絶賛されています。同じコンビによる次なる挑戦はシューマンの交響曲。第1番「春」と第4番のカップリングで番号順ではないものの実はともに1841年の作。後者は10年後に大改訂して出版する際に「4番」となったことが知られています。
名作の最もオリジナルな形にこだわるロトは、もちろん第4番も初稿にて演奏。各楽章の表示がイタリア語(改訂版はドイツ語)で、音楽もかなり異なります。シューマンの作品はとかくオーケストレーションが問題となり、後世の人々が見通しを良くするように手を入れていますが、ロトは改訂版以上に音の重なった初稿から抜群のバランス感覚で独特な音響を引き出し、陰影のはっきりしたにごりのないセピア色の世界を絶妙に表しています。
ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団のシューマンといえばギュンター・ヴァントの名演が思い出されますが、ロトのテンポはヴァントに近く、同オーケストラの伝統を強く感じさせます。リズム感と推進力はロトならではで、両曲のフィナーレなどぐいぐい引き込まれます。新しいシューマンの交響曲名盤の誕生と申せましょう。
キングインターナショナル【曲目】
シューマン:
(1)交響曲第1番変ロ長調Op.38「春」
(2)交響曲第4番ニ短調Op.120(1841年初稿)
【演奏】
フランソワ=グザヴィエ・ロト(指揮)
ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団
【録音】
2018年12月16-18日(2)、2019年6月16-18日(1)/ケルン・フィルハーモニー(ライヴ)Digital Converters: Merging Technologies Horus
Editing Software: Pyramix, Merging Technologies
Microphone Preamps: Lake People and Merging Technologies
Microphones: DPA, Sonodore, Sennheiser, Schoeps and Neumann
Producer: Stephan Cahen
Recording Engineer: Jin Choi (No. 4) & Stephan Cahen (1&4); Daniel Przemus (Assistant Engineer)
Recording Location: Recorded Live in Concert on December 16-18, 2018 (No. 4) & June 16-18, 2019 (No. 1) at Kölner Philharmonic Hall
Recording Software: Pyramix, Merging Technologies
Recording Type & Bit Rate: DXD
Speakers: B&W Nautilus and ATC SCM16 loudspeakers
Surround Sound Mix: Stephan Cahen at Studio Zimmerli, Düsseldorf
“Today, a memorial is not anymore carved in stone – it is released as a record.” - Frankfurter Allgemeine Zeitung
リスト: 超絶技巧練習曲集 S.139 キリル・ゲルシュタイン
ムソルグスキー: 組曲「展覧会の絵」、シューマン: 謝肉祭 Op.9
チャイコフスキー: ピアノ協奏曲第1番、プロコフィエフ: ピアノ協奏曲第2番 キリル・ゲルシュタイン(ピアノ)ベルリン・ドイツ交響楽団ジェイムズ・ガフィガン
ヴィオラのためのソナタ集 VOL.2 ブラームス、シューベルト、フランク
タベア・ツィマーマント、キリル・ゲルシュタイン
ヴィオラのためのソナタ集 VOL.1 クラーク、ヴュータン、ブラームス
レーガー: 無伴奏ヴィオラ組曲第1番~第3番、J.S.バッハ: 無伴奏チェロ組曲(ヴィオラ編)第1番、第2番
タベア・ツィンマーマン
ジット: 6つのアルバムの小品 Op.39、グラズノフ: エレジー Op.44、ヴィエルヌ: 2つの小品 (伝説/夕べ)、他
ベートーヴェン: 弦楽四重奏曲第8番 Op.59-2「ラズモフスキー第2番」、モーツァルト: 弦楽四重奏曲第16番、他
ハーゲン四重奏団
ベートーヴェン: 遥かなる恋人に Op.98、ウェーバー: 恋人を失った時の気分 Op.46 (快活/重苦しく/恋に狂って/平静)、他
ユリアン・プレガルディエン(テノール)クリストフ・シャナッケルツ