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SACDに特化した偏屈ブログ

細川俊夫 、 イェルク=ペーター・ミットマン 、 岸野末利加 、 武満徹 日本とドイツの自然界に触発された作品を収録

Dialogues on Nature - ensemble horizonte

自然をめぐる対話
アンサンブル・ホリゾン

タワーレコード

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MD+G

1990年デトモルトで、指揮者、作曲家、さらにオーボエ奏者としても活動してるイェルク=ペーター・ミットマンによって結成された現代音楽のアンサンブル・ホリゾンテ。MDGレーベル初登場アルバムは、8人のソリストによる日本とドイツの「自然をめぐる対話」をテーマにし、ドイツ・ロマン派の自然詩や日本の水墨画を彷彿とさせる作品を収録しています。
細川俊夫のハープ・ソロのための「河のほとり」は、ヘルマン・ヘッセの「シッダールタ」に出てくる川の音を聞くことで悟りを開くというエピソードを引用。イェルク=ペーター・ミットマンの「青の向こう側」は、松尾芭蕉にも勝るとも劣らない音詩。自然と美が織り成す作品を書く岸野末利加。「ラメント」は、2011年東日本大震災で福島を襲った津波原発事故を振り返る作品で、相馬民謡「相馬流れ山」をモチーフにしています。そして2010年に発表された「生命の水II」は、アンサンブル・ホリゾンテ委嘱作品。フルート奏者が肉声を発する武満徹の「声」。そして多種多様な楽器を用いた作品を書く伊藤美由紀の「月の満ち欠け」。楽器編成はフルート、ハープ、ヴィオラのトリオでドビュッシーの影響が感じられます。最後には自然界の音を作品に反映させるドイツの作曲家ウルリヒ・アレクサンダー・クレッパイン。
ここに収録されている「Windinnres - Wucherungen」は、リルケの詩に着想を得たという作品で、森の中に吹く草木を揺らす風を連想させます。
キングインターナショナル

【曲目】
細川俊夫(1955-): 河のほとり(ハープ・ソロ)(1982)
イェルク= ペーター・ミットマン(1962-): 青の向こう側(Jenseits der Blaue)
(フルート、クラリネット、ハープ、パーカッション、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)(2013)
岸野末利加(1971-): ラメント(ヴァイオリンとヴィオラ)(2014)
武満徹(1930-96): 声(ヴォイス)(フルート・ソロ)(1971)
岸野末利加:生命の水II(フルート、クラリネット、パーカッション、ヴィオラ、チェロ)(2010)
伊藤美由紀(1968-): 月の満ち欠け(Lunar Phases)(フルート、ヴィオラ、ハープ)(2006)
ウルリヒ・アレクサンダー・クレッパイン(1979-): Windinnres - Wucherungen
(フルート、クラリネットファゴット、ホルン、弦楽四重奏)(2016)

【演奏】
アンサンブル・ホリゾン
ミリャム・シュレーダー(ハープ)

【録音】
2020年10月19日、11月30日、12月1日
マリエンミュンスター修道院コンツェルトハウス