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SACDに特化した偏屈ブログ

ドレスデン聖十字架合唱団/シュッツ:十字架上の七つの言葉、マタイ受難曲~Berlin Classics SACDハイブリッド化プロジェクト第30弾!

タワーレコード・オリジナル企画盤 Berlin Classics x TOWER RECORDS

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ハインリヒ・シュッツ: 十字架上の七つの言葉、7つのクライネ・ガイストリッヒェ・コンツェルテ、音楽による葬送<タワーレコード限定>
ルドルフ・マウエルスベルガー 、 ドレスデン聖十字架合唱団

タワーレコード

 

LP時代より多くのファンに愛されたシュッツの2つの名盤が1枚のSACDとなって復活!この復刻プロジェクトは元々、シュッツの没後250年である2022年に企画を開始しましたが、マスターテープの捜索や制作上の遅延により、ようやく1年越しで実現することができました。音質も素晴らしい状態で残されており、声楽曲でも抜群の効果を発揮するSACDに相応しい録音です。

1966年録音の「十字架上の7つの言葉」は、西独アルヒーフと東独エテルナの共同制作によるものです。日本では1968年にアルヒーフの直輸入盤LPとして初発売され(Ar 198 408)、レコード芸術誌で皆川達夫氏から、音楽の友誌で宇野功芳氏から絶賛され、この隠れた名作の魅力を日本の愛好家に一気に知らしめました。作品は1645年、30年戦争の苦悩の中にあったシュッツが、十字架上のイエスの苦しみを自身と重ね合わせ、共感をもって描いたオラトリオです。指揮は1930年から亡くなるまでドレスデン聖十字架合唱団の音楽監督(クロイツカントール)を務め、同合唱団の世界的名声を高めたルドルフ・マウエルスベルガー(1889~ 1971)。約700年の歴史をもつドレスデン聖十字架合唱団は、17世紀にドレスデンで活躍したシュッツにとってゆかりのある団体です。女声パートに少年合唱を用いた至純の演奏は、作品の痛切な祈りと深い感動を伝えてやみません。

ほぼ同時期に録音された「7つのクライネ・ガイストリッヒェ・コンツェルテ」は30年戦争で疲弊した同胞のために、少人数で演奏できるように作曲された珠玉の小品集です。尚、上記日本で発売されたアルヒーフ盤の「十字架上の7つの言葉」のB面に収録されていた7曲と、今回のETERNA(8 25 918)の7曲は異なっていますが、その理由は不明です。恐らく、複数の曲から本国向けとそれ以外で分けられていたと思われます。

1968年録音の「音楽による葬送」(ムジカーリッシェ・エクセークヴィエン)は、西側ではオランダのフィリップス・レーベルより発売され、日本でも1976年にフィリップスよりLPが発売(Ph PC1827)、レコード芸術誌で皆川達夫氏により推薦盤となっています。作品は1636年、シュッツが生れ故郷の領主のために作曲したドイツ語によるレクイエム。この世を去った人への哀惜の念に満ちた名曲を、ドレスデン聖十字架合唱団が清純な歌声と真摯な歌唱で見事に描いています。ルカ教会の美しい響きを捉えた名技師シュトリューベンの優秀録音も特筆されます。

尚、「音楽による葬送」SWV.279-281の音源に関して、今回新たな発見がありました。従来、マスエルスベルガーによるこの録音は近い時期に2つの録音が存在し、別音源として初出時(1971年発売:8 26 100)とその後の発売(1973年発売:8 26 233)、そしてCD時代になってからも別と認識されていましたが、今回の復刻にあたっての調査により、同一音源であることが判明しました。元々、かなり近い時期に2つ録音があること自体が不思議ではありましたが、今回本国レーベルの見解では、元々最初(8 26 100)がオリジナルであり、後の(8 26 233)はバックアップのテープが、別テイクのマスターとして使われてしまったのではないかとのことでした。最終的には確定事項ではないとは言え、貴重なエピソードとしてお伝えしておきます。今回の解説書裏のジャケットデータは、後の方(8 26 233)を採用しています。

今回の復刻に際して、マスターテープはレーベルからウィーン在住のマスタリング・エンジニアであるクリストフ・スティッケル氏のスタジオに空輸し、アナログ領域でのマスタリングを行った上で、デジタル化にあたってはSACD層用のDSD化とCD層用のPCM化を別系統で行い製品化。今回の復刻に限らずこの企画では、日本にある本国からのコピーマスターからではなく、本国のオリジナルのアナログ・マスターテープに遡ってマスターを一から作り直していますので、良質なテープのコンディションを基にした一世代上の品質を存分に味わうことができます。現在考えられる限りの理想的な方法でのマスタリングを実現しました。現在考えられる限り理想的な方法でのマスタリングを実現しました。その効果は著しく、マスターテープに残されていたクオリティを極めて忠実に再現することが可能となり、さらにアナログ領域のみでのマスタリングとダイレクトDSD化が、より音質的に効果をもたらしています。従来と比較して驚くほど鮮明で解像度が高くなったことにより、演奏に対する更なる評価が期待できるほどの出来です。尚、解説書には今回使用したオリジナルのアナログ・マスターテープの外箱の写真もカラーで掲載してあります。

【曲目】 Total time 83:02
1. ハインリヒ・シュッツ(1585-1672):十字架上の七つの言葉 SWV.478
2. ハインリヒ・シュッツ(1585-1672):7つのクライネ・ガイストリッヒェ・コンツェルテ
私は一つのことを主に願い SWV 294、 汝、慈愛に満てるイエス SWV 309、
私は膝をかがめて祈る SWV 319、 神の子らよ、主に帰せよ SWV 283、
主を畏れることは SWV 318、 私は伏して眠り SWV 310、
私は蘇りであり、命である SWV 324
3. ハインリヒ・シュッツ(1585-1672):音楽による葬送 SWV.279-281

【演奏】
ペーター・シュライヤー(テノール)
テオ・アダム(バス)
ロルフ・アプレック(テノール)
ハンス=ヨアヒム・ロッチュ(テノール)
ヘルマン・クリスティアン・ポルスター(バス)
エベルハルト・ディートリヒ(アルト)
ミヒャエル・クレーマー(ソプラノ)
ペーター・クルーグ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ハンス=ペーター・リンデ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
フリードマン・スタルケ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ドリス・リンデ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
Hans SruB(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ヴィルヘルム・ノイマン(ヴィオロ-ネ)
マティアス・シーデル(オルガン) (以上1)

ミヒャエル・クレーマー(ソプラノ)
ペーター・シュライヤー(テノール)
ハンス=ヨアヒム・ロッチュ(テノール)
テオ・アダム(バス)
ヘルマン・クリスティアン・ポルスター(バス)
ヴェルナー・ヤロスラフスキ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
エルンスト・ルートヴィッヒ・ハマー(ガンバ)
ヴィルヘルム・ノイマン(ヴィオロ-ネ)
ハンス・オットー(オルガン)
マティアス・シーデル(オルガン) (以上2)

フリードマン・イェケル(ソプラノI)
アンドレアス・ゲーラー(ソプラノII)
ヨハネス・エルスナー(アルト)
ペーター・シュライヤー(テノールI)
ハンス=ヨアヒム・ロッチュ(テノールII)
ヘルマン・クリスティアン・ポルスター(バスI)
ジークフリート・フォーゲル(バスII)
ヴェルナー・ヤロスラフスキ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ヴィルヘルム・ノイマン(ヴィオロ-ネ)、
ハンス・オットー(オルガン) (以上3)

ドレスデン聖十字架合唱団
ルドルフ・マウエルスベルガー(指揮)

【録音】
1966年9月30日-10月3日&1967年5月27日 (以上1)、
1966年3月2,3日、9月30日、10月3日、11月27日&1967年5月27日 (以上2)、
1968年10月10日-11月1日 (3) Dresden Lukaskirche

【Original Recordings】
Musikregie:Heinz Wegner、 Tonregie:Claus Struben ,Eberhard Richter

【マスタリング・エンジニア】
クリストフ・スティッケル

【原盤】
Berlin Classics

 

 

ハインリヒ・シュッツ: マタイ受難曲タワーレコード限定>
マルティン・フレーミヒ 、 ドレスデン聖十字架合唱団

タワーレコード

 

バッハの同名作品よりも66年前の1666年に作曲されたシュッツ(1585~1672)「マタイ受難曲」アナログ・ステレオの名盤が世界初SACD化!この復刻プロジェクトは元々、シュッツの没後250年である2022年に企画を開始しましたが、マスターテープの捜索や制作上の遅延により、ようやく1年越しで実現することができました。音質も素晴らしい状態で残されており、声楽曲でも抜群の効果を発揮するSACDに相応しい録音です。ヴォーカルだけの緻密な音楽の世界を、従来を超える最高音質でお楽しみください。

81歳のシュッツがドレスデン宮廷礼拝堂のために作曲した「マタイ受難曲」は、楽器を一切使わず、単声の朗唱とア・カペラの合唱だけで構成された純声楽的な作品です。シュッツは簡素なスタイルと厳粛な雰囲気の中で、マタイ福音書第26~27章(ルター訳ドイツ語聖書)による受難の物語を、巧みな登場人物の性格描写とともにドラマティックに描きました。
演奏はマルティン・フレーミヒ(1913~1998)指揮ドレスデン聖十字架合唱団とドイツの名歌手たちによるもので、音響のすばらしさで知られるドレスデン、ルカ教会で1973年に録音されました。

フレーミヒは、ルドルフ・マウエルスベルガーのあとを継いで1971年にドレスデン聖十字架合唱団の音楽監督(クロイツカントール)となり、1991年まで同職を務めました。古楽から現代まで幅広いレパートリーをもちましたが、とりわけシュッツ解釈の第一人者として知られました。また、約700年の歴史をもつドレスデン聖十字架合唱団も、17世紀にドレスデンで活躍したシュッツにとってゆかりのある団体です。

この録音は1976年に日本でも初発売され、LPやCDで愛好家に親しまれてきました。フレーミヒは、女声パートに少年合唱を用いたドレスデン聖十字架合唱団から作品に相応しい求心力のある響きを引き出しています。また、ソロにはシュライヤー、ポルスター(この二人はドレスデン聖十字架合唱団の出身者)、ローレンツ、ロッチュなどドイツの名歌手を起用。彼らの美声と思慮深い歌唱が、要所で挟まる合唱と相まって聴き手をキリストの悲劇の渦に巻き込んでゆきます。

今回の復刻に際して、マスターテープはレーベルからウィーン在住のマスタリング・エンジニアであるクリストフ・スティッケル氏のスタジオに空輸し、アナログ領域でのマスタリングを行った上で、デジタル化にあたってはSACD層用のDSD化とCD層用のPCM化を別系統で行い製品化。この企画では、現在考えられる限りの理想的な方法でのマスタリングを実現しました。その効果は著しく、マスターテープに残されていたクオリティを極めて忠実に再現することが可能となり、さらにアナログ領域のみでのマスタリングとダイレクトDSD化が、より音質的に効果をもたらしています。従来と比較して鮮明で解像度が高くなったことにより、演奏に対する更なる評価が期待できるほどの出来です。尚、解説書には今回使用したオリジナルのアナログ・マスターテープの外箱の写真も掲載してあります。

【曲目】 Total time 57:15
1. ハインリヒ・シュッツ(1585-1672):マタイ受難曲SWV 479

【演奏】
福音史家:ペーター・シュライヤー(テノール)
エス:ヘルマン・クリスティアン・ポルスター(バス)
総督ピラト:ジークフリートローレンツ(バリトン)
使徒ペテロ:ハンス=ヨアヒム・ロッチュ(テノール)
使徒ユダ:ハンス=ユルゲン・ヴァハスムート(テノール)
大祭司カヤパ:ペーター=フォルカー・シュプリングボルン(バス)
偽証者I:アルミン・ウーデ(テノール)
偽証者II:ゴータルト・シュティーア(バリトン)
下女I:ユルゲン・プッシュベック(ソプラノ) (Kruzianer)
下女II:ロインハルト・ヴィーマイヤー(ソプラノ) (Kruzianer)
ピラトの妻:ティルマン・ラウ(アルト) (Kruzianer)
ドレスデン聖十字架合唱団
マルティン・フレーミヒ(指揮)

【録音】
1973年3月14-17日&10月1-3,5日 Dresden Lukaskirche

【Original Recordings】
Musikregie:Heinz Wegner、 Tonregie:Eberhard Richter, Helgard Unger

【マスタリング・エンジニア】
クリストフ・スティッケル

【原盤】
Berlin Classics