ヤッコ・クーシスト
祖父はシベリウス音楽院の学長まで勤め上げたフィンランド音楽界の重要作曲家であるタネリ・クーシスト、父も作曲家のイルッカ・クーシスト、弟は同じく世界的ヴァイオリニストのペッカ・クーシストである音楽一家、サラブレッドで最近は指揮者としての活躍が目立つヤッコ・クーシストによるJ.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン~です。要注目の1枚
フィンランドのヴァイオリニスト、ヤーコ・クーシスト(1974-)は、オスモ・ヴァンスカが音楽監督のラハティ交響楽団でコンサートマスターを務め、現在、指揮者、作曲家としても活動しています。2018年8月からクオピオ交響楽団の首席指揮者、また2019年にはフィンランド国立オペラで彼の新作歌劇『氷』の初演を指揮することが決まっています
彼は、BISレーベルへの録音が多く、『シベリウス作品全集』ではヴァイオリニストとして、初録音の曲も含む室内楽を中心とする作品を手がけました。
クーシストの久しぶりのソロ・アルバムは、J.S. バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータの全曲です。彼は、ヴァイオリンを習っていた10歳の時にホ長調のパルティータを課題として与えられ、5年から6年後には、いろいろなフーガを日課のように弾くようになったと言います。
「技巧と音楽表現と目的の折り合いをつけるという、いつ終わるともしれない仕事には、なんというかスリルのような感覚がある。そのことが理解できたのも、鋭い洞察力を備えた先生たちの下で練習できたおかげだ。……これほど演奏しがいのある美しいヴァイオリン音楽は、他にない」とクーシストは語り、制作と録音を担当したインゴー・ペトリに感謝の言葉を贈っています。
録音セッションは、ストックホルム市の北、ストックホルム群島に面したオステルローケルの教会で行われました。名器ゴフリラーで奏でる野太い音色をご堪能ください。
(キングインターナショナル)
『J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータ』(全曲)
【曲目】
J.S.バッハ(1685–1750):
[Disc 1]
1.無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番 ト短調 BWV1001
2.無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番 ロ短調 BWV1002
3.無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番イ短調 BWV1003
[Disc 2]
4.無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 ニ短調 BWV1004
5.無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番 ハ長調 BWV1005
6.無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番 ホ長調 BWV1006
【演奏】
ヤーコ・クーシスト(ヴァイオリン)[マッテオ・ゴフリラー制作(1702)]
【録音】
2015年1月、2016年5月、2017年5月(セッション録音)
オステルローケル教会(オステルローケル、スウェーデン)
制作・録音:インゴー・ペトリ
幼きヤッコとペッカ
イザベル・ファウスト(シングルレイヤー)