VIVA!SACD

VIVA!SACD

SACDに特化した偏屈ブログ

日野皓正『寂光』

イメージ 1

イメージ 2

日野皓正クインテットが若きドラマー・和丸を迎えて以来、初の録音。
昨年は菊地雅章とのアルバム制作を行っていた日野が今回は自己のグループで新たなる音宇宙を創造した。ゲストとして佐藤允彦(p)山田穣(as)が参加。 菊地雅章の新曲2曲も収録。


2007年はフジ・ロック・フェスティヴァルへの出演、菊地雅章とのコラボ・アルバムなど常に話題に事欠かなかった日野皓正。

そして2008年。新作は '05年より加入した17歳のドラマー、和丸(加入当時なんと15歳!)を迎えたレギュラー・クインテットでの初録音。

常に日本人ジャズ・ミュージシャンの第一線として、オーソドックスなモダン・ジャズ、フリージャズ、フュージョン・・・変遷を遂げつつもあらゆるスタイルを血肉と化し、さらに菊地雅章とのコラボなどを経て、辿り着いた先が今回の『寂光』。
モチーフやタイム感は持ちつつも、アドリブに入れば、コードもリズムも自由。その自由の中でメンバー全員が会話を重ねていく。余計なものや奇をてらったものは一切そぎ落とし、あくまで自然体、肩の力は抜けているが勢いはスゴイ。
そしてタイトル『寂光』に象徴されるストイックな美しさと強靭さ・・・


今後の日野皓正の代表作になりそうな、ストレート一本勝負の嬉しいアルバムとなっている。

また、新たな世代を見出し、育てていくことにも熱心な日野。今回レコーディングに参加している17歳の和丸も、これまで日野クインテットでのライヴを重ね、機を熟した感もある堂々たるドラミング。その鋭さ、驚異的なテクニックにも注目したい。


■参加ミュージシャン
日野皓正(tp) 多田誠司(as) 石井彰(p)
金澤英明(b) 和丸(ds)
ゲスト:佐藤允彦(p)山田穣(as)


■タイトルリスト
1.ザ・パースペクティブ・ツィステッド
2.ラヴァ・ダンス
3.ティアーズ
4.エッジズ
5.AMPM
6.211 west 20th Street
7.サンタ・クリスティー
8.FUNAKURA
9.デスペラード

全作曲:日野皓正(ex.1,7)
菊地雅章書き下ろし(1,7)
(HMVサイトより)

11月5日発売予定