2008年に亡くなった故リチャード・ヒコックス(1948-2008)の忘れ形見の1つ、ユージン・グーセンス(1893-1962)の管弦楽作品集。ヒコックスが振った第1巻(CHSA 5068)は2009年にリリースされ、その録音プロジェクトを継承したアンドルー・デイヴィスによる第2巻(CHSA 5119)は2013年にリリースされていましたが、ついに第3巻のリリースが発売されます。
ロンドン出身、南半球のオーストラリアではシドニー響の首席指揮者、シドニーのニュー・サウス・ウェールズ音楽院のディレクターを務め、得意としていたラヴェル、ドビュッシー、ストラヴィンスキーから影響を受けたフランス的な特徴を持つ作品を残したグーセンス。この第3巻に収録されたのは、キャリアの後半に作曲された2つの作品で、ハイフェッツのために作曲されながらもハイフェッツによる演奏は実現しなかったというヴァイオリンと管弦楽のための「幻想協奏曲」と、1942年~1945年に作曲され、第2次世界大戦に対するグーセンスの感情が反映された交響曲第2番。どちらもほとんど録音のなかったレア・レパートリーを、タスミン・リトルとアンドルー・デイヴィスが丁寧かつ巧みに演奏しています。
東京エムプラスヴァイオリンと管弦楽のための幻想協奏曲 Op.63
交響曲第2番 Op.62【演奏】
タスミン・リトル(ヴァイオリン)、
アンドルー・デイヴィス(指揮)、
メルボルン交響楽団【録音】
2018年3月27日-29日(幻想協奏曲)、2019年7月9日-10日(交響曲第2番)、モナシュ大学ロバート・ブラックウッド・ホール(メルボルン、オーストラリア)