VIVA!SACD

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SACDに特化した偏屈ブログ

【追悼特集】ビル・ウィザース

 今年3月30日に心臓疾患の合併症のため亡くなったビル・ウィザースのベストのSACD盤。Mobile Fidelityから。長らく日本市場から消えてましたが、在庫復活しておりましたので、遅ればせながら追悼特集です。限定盤ですのでお早めに

Bill Withers Greatest HitsBill Withers Greatest Hits

Amazon

1. Just the Two of Us
2. Use Me
3. Ain't No Sunshine
4. Lovely Day
5. I Want to Spend the Night
6. Soul Shadows
7. Lean on Me
8. Grandma's Hands
9. Hello Like Before
10. Who Is He (And What Is He to You)?

 


Bill Withers - Just The Two Of Us (official video)

超絶ダンスは無い、一際高い声が出るわけじゃない、ルックスも特別良いわけじゃない(この動画↑は竹中直人に似てる)、普通のおじさんなんだけど、曲作りは大天才。歌も上手い。

 

1938年大恐慌の末期にウェストバージニア州スラブフォークで貧しい家庭の6人兄弟の末っ子として育った。高校卒業後に海軍入隊、退役後はカルフォルニアへ移り、便器工場で働く傍ら、安物のギターを買い、独学で音楽を学び、作曲し、デモ・テープをレコード会社へ送る

 

Live at Carnegie HallBill Withers: Live at Carnegie Hall

Amazon タワーレコード

1. Use Me
2. Friend of Mine
3. Ain’t No Sunshine
4. Grandma’s Hands
5. World Keeps Going Around
6. Let Me In Your Life
7. Better Off Dead
8. For My Friend
9. I Can’t Write Left Handed
10. Lean on Me
11. Lonely Town, Lonely Street
12. Hope She’ll Be Happier
13. Let Us Love
14. Harlem/Cold Baloney


Bill Withers - Ain't No Sunshine

ブッカーTジョーンズのプロデュースのデビュー作は大ヒット。「Ain’t No Sunshine」は1972年グラミー賞ベストR&Bソング受賞するなど、大スターへと駆け上がります


Bill Withers - Lovely Day (Audio)

しかし、彼はスターの座の座り心地は良くなかったようです

「最初の頃は数ヶ月間マネージャーと一緒に仕事をしていたけど、ガソリンで浣腸をされたような気分でした。誰も私の利益なんて第一に考えていなくて、駒のように扱われていると感じた。私は自分自身で生きることが好きなのに」

商業的に消費される事に疲弊していた彼に、移籍先のコロンビア・レコードのA&Rはこんな言葉を掛けたそうです

“君の音楽も黒人の音楽も好きになれない”

1985年、『Watching You, Watching Me』を最後に表舞台から姿を消しました。

ちょっと前に「消えた天才」という番組がありましたが(番組が不祥事で消えました)、1971年にデビューして1985年に引退するまでグラミー賞を三度受賞。2015年にはロックの殿堂入り、工場勤務からのサクセスストーリー、そして引退。

ビル・ウィザースこそ正真正銘の「消えた天才」でしょう

 

しかし、ビル・ウィザースの残した名曲の数々は消える事なく、彼のいない空白を埋める様に様々なアーティストによってカバーされ、またヒットしました。私もカバー曲でビルの曲に親しんだ世代

SACDはソウルR&B系は少ないのですが、ジャズやブルースでもカバーされてます。Mofiからの2枚や下記のカバーを聴いて、良いメロディ、シンプルな歌詞、温かい歌声、本当に素晴らしい。

   

 

そして、やはり今のコロナ禍において、この曲のメッセージが沁みます。


Bill Withers - Lean on Me (Audio)

 

Lean on me,
when you're not strong
And I'll be your friend
I'll help you carry on
For it won't be long
'Til I'm gonna need
Somebody to lean on

 

強くいられないとき、弱気になってしまったときは僕を頼ればいい

僕が君の友達になって前に踏み出す手助けをするから

きっとそう遠くないうちに僕も頼れる誰かが必要になるから

 

 これからもビルの曲がオリジナルでもカバーでも、生き続けて欲しいものです。せっかくならSACDで聴いて頂きたい