VIVA!SACD

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SACDに特化した偏屈ブログ

鑑賞感記 ルミノーゾ ~僕は大地に疾走する輝きを見た~ 中村善郎

ルミノーゾ~僕は大地に疾走する輝きを見た~

ルミノーゾ~僕は大地に疾走する輝きを見た~
中村善郎

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SACDシングルレイヤー SACD専用ディスク

 

2001年ニューヨーク録音。19年も遅れて今年、購入し聴きました。

日本のジョアン・ジルベルトと評される、日本ボサノヴァの第一人者である中村善郎インドネシアと日本のミックス、フェビアン・レザ・パネ(p)、アメリカのアーロン・ハイク(fl、cl)、ブラジルのカフェ(Edson Da Silva:per)、そしてカメルーンリチャード・ボナ(b、g、vo)。

様々なルーツが織りなす音楽。中村のボサノヴァがジャンルから飛び出し、人種フリーの雄大で爽やかな風が吹き抜ける様などこまでも広い地平線を想起させるグローバル・ミュージックへと昇華している。ナチュラル、オーガニック、そんな言葉も浮かびます。アナログ録音からDSDでのmix、シングルレイヤーSACDの極上音質なのもこの気持ち良さに拍車を掛ける。

 

大学生の頃、バックパッカーに憧れたりしたもので

バックパッカー・パラダイス―旅人楽園 バックパッカー・パラダイス〈2〉楽園の暇 バックパッカー・ヴァイタミン

中でもこの本が面白かったのを思い出しました。また読みたいな~

 

1.坂の上のマリア[2:09]2.許さなければ[4:09]3.サンバがサンバであるからには[5:30]4.君の窓辺に[5:49]5.坂の町の若者[4:56]6.メニーナ・フロール(花のような少女)[2:15]7.白黒のポートレート[5:15]8.バラの園に降る雨[3:23]9.ジェットのサンバ[3:41]10.空と風の物語[5:15]11.トムへの手紙~トムからの手紙[3:04]12.すべてがあなたのようだったら[3:33]13.さよならを言うために[3:38]14.風がくれたメロディ[3:36]15.夕暮れの情景[2:18]

 

1曲目「坂の上のマリア」は北九州市八幡を舞台にした映画の音楽だそうで、映画は未見ながら、北九州の門司生まれ育ち、八幡にも大学で枝光、仕事で八幡東区にも住んでたので、縁があります。中村とボナ、二人の演奏。

4、5、10、15はこの映画のために書かれた中村オリジナル。 

14曲目「風がくれたメロディ」はリチャード・ボナが作曲、歌唱で(歌詞は中村)NHKみんなのうた」でも流れた名曲。本当に良い曲。このアルバムでは中村が歌ってます。このアルバムを象徴するような一曲で、ライナーで中村が「広大な大地を放浪する吟遊詩人をイメージして書いた、というより、彼(ボナ)の存在感があまりにも強くて、どうしてもそういった内容の言葉しか浮かばなった」と書いてある通り。

”いながらにしてある風景を体現する人、なにもしなくてもその人がいるだけで場の雰囲気が一変してしまう。例えばボナの場合だったら、そこがどこであれそこには広大空間を吹き抜ける風や、そこを自由に駆ける俊敏な筋肉を持ったものの姿を感じる事ができる”ライナーより

強烈な存在感は、ただ録音を聴いてるだけでも感じられる。心を揺さぶられる音。

2020年、コロナ禍でのストレス、閉塞感を地平線の見える大地へ連れ出してくれ解放してくれたかの様な。

トム・ジョビンカエターノ・ヴェローゾ、ヴィニシウス、ルイス・ボンファといったボサノヴァ・スタンダード、中村のアイドルたちの慣れ親しんだ楽曲も、新たな、そして不思議なグルーヴな吹き込まれている。

 

現在、SONY公式で注文可能。おそらく、売れ残っているのだろう・・こんな名作が・・と19年遅れで聴いた自分を棚に上げて、罪滅ぼしにおススメで大プッシュします。中村善郎SACDに帰ってきてくれないだろうか・・

 

 produced by kozo Watanabe, Yoshiro Nakamura
recorded  by Jay Messina, Naoto Tanemura
mixed by tomoo suzuki

Msatered by Machiko Suzue 

 

レンブランサ,エスペランサ(思い出、そして希望) シンプレス Bossa Nova