モーツァルト: レクイエム
ジョルディ・サヴァール 、 ル・コンセール・デ・ナシオン 、 ラ・カペラ・レイアル・デ・カタルーニャ
幼い日、サヴァールが教会に足を踏み入れると、そこではモーツァルトのレクイエムのリハーサルが行われていました。サヴァールはそれを聴いて「音楽というものがこんなにもすごい力を持っているなら、僕は音楽家になりたい・・・」と思ったといいます。それから長い年月が流れ、これまでに約230の録音をしてきたサヴァールが、モーツァルトの≪レクイエム≫をリリースします。
サヴァールはこれまで、中世からモーツァルトの時代(さらに最近ではベートーヴェンやシューベルト)まで、ありとあらゆる音楽をヴィオラ・ダ・ガンバや指揮で演奏してきました。その中には宗教音楽も多くありましたが、サヴァールは、暗い悲しみと威嚇的な死、というものをスペインのカトリック主義という絵筆と色彩で描いてきました。音楽家として、そして学者としてまさに「啓蒙」の人であるサヴァール。ここで、死者のためのミサ、という本来のレクイエムの宗教的意義と効果を見事に私たちに提示してくれます。
残響が非常に豊か、かつ過剰ではない絶妙な会場での録音。≪怒りの日≫での激しさもありつつ、とてもやわらかな響きは、かつてない聴体験。《奇しきラッパの響き》での神聖な響きには驚かされます。音楽史を生きてきたサヴァールにしかなしえない表現がここにあります。
キングインターナショナル【曲目】
モーツァルト:レクイエム KV 626【演奏】
レイチェル・レドモンド(ソプラノ)
マリアンヌ・ベアーテ・キーランド(メゾ・ソプラノ)
ミンジェ・レイ(テノール)
マヌエル・ヴァルサー(バリトン)
ラ・カペラ・ナショナル・デ・カタルーニャ(合唱)
ル・コンセール・デ・ナシオン(マンフレート・クレーマー(コンサートマスター))
ジョルディ・サヴァール(指揮)【録音】
2022年5月11-13日、カタルーニャ自治州カルドーナ城参事会教会