VIVA!SACD

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SACDに特化した偏屈ブログ

河村尚子 ~夜想~ショパンの世界

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1. 華麗なる変奏曲 変ロ長調 Op.12
2. 夜想曲 第3番 ロ長調 Op.9-3
3. 夜想曲 第20番 嬰ハ短調「レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ」(遺作)
4. バラード 第3番 変イ長調 Op.47
5. 即興曲 第2番 嬰ヘ長調 Op.36
6. ワルツ 第2番 変イ長調 Op.34-1「華麗なる円舞曲」
7. 夜想曲 第7番 嬰ハ短調 Op.27-1
8. 夜想曲 第8番 変ニ長調 Op.27-2
9. 舟歌 嬰ヘ長調 Op.60
10. アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 Op.22

2009 SACD&CDハイブリッド ステレオ


2009VIVA!SACD選出優秀アルバム


すでに地元ドイツ(幼い頃父親の仕事で移り住んだようです)を中心にヨーロッパでは高い評価を得ている河村尚子の日本デビュー盤。通算3作目。SACDは2作目。

発売直後に購入したのですが、雑誌やブログなどで「凄い!」と高評価で売上げも上々。
ならばここは待機してショパン生誕200年の2010年(09年は没後160年)に更に燃料投下しようと目論み、今回取り上げる事にしました。


ジャケは小柄なお嬢さんといったイメージですが、演奏時は「顔弾き」な感情豊かなダイナミックさに溢れる彼女。演目がショパンなのであまり「情熱的」な感情は出てきませんが、一音一音に想いを込めたプレイが目に浮かぶ、魂のこもった演奏。
私はあまりショパンが好きなタイプではないにも関わらず、惹きこまれる。「ショパンもいいな」そんなグッとくるものがありますね。
私が作品を評価する基準は「ライヴで聴いてみたい」「他のアルバムも聴いてみたい」そう思うかどうかです。クラシックであれジャズであれ、何であれ「心を揺り動かされる」もの。元がロック野郎ですから、そういった理屈抜きの感情を大切にしてます。このアルバムは満点と言えるでしょう。
そして聴き終わると「ショパン好きになったな」そう思わせてくれる。どの曲がというよりアルバムトータルで楽しめる。選曲、曲順もよく練られているのではないでしょうか。


再生ボタンを押して・・一音・・目の覚める様な鮮度の良い音が飛び出してくる。
ベルリン、ダーレム、イエス・キリスト教会でのDSD録音。ピアノの響き、教会の響き、空気、感情、タッチまで全部詰め込んだDSDの実力を発揮したと言える優秀録音盤。
プロデューサー&エディティングはLiving StereoのSACDシリーズ製作にも携わったPhilipp Nedel、レコーディングエンジニアはMichael Brammann。09年のグラミー賞にもノミネートされたb-SHARPチームだ。「鋭敏/機敏に生きろ!」という意味のチーム名がこのアルバムの録音に良く表れている。
ピアノテクニシャンはGerd finkenstein。河村自身が「とても良いコミュニケーションが取れた」と語るように充実した録音現場であった事が容易に想像できる


ステレオオンリーでマルチchは収録されていないのが残念ではあるが、その不満を吹き飛ばす充実の響きがある

ショパンイヤーで様々な大御所から過去の名演再発まで多々ありますが、明日を担う若手のプレイにも是非耳を傾けていただきたい。ショパン好きには必聴作だと思います。
彼女のもっと様々な表情が見てみたい、次はダイナミックな喜怒哀楽を聴かせてもらいたい。期待は膨らむ。もちろんSACDでお願いします


パフォーマンス:★★★★★
音質:★★★★★+++
満足度:★★★★(やはりマルチchでも聴きたかった)
お薦め度:★★★★★+++
総合:94

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