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SACDに特化した偏屈ブログ

プレトニョフ&ロシア・ナショナル管によるショスタコーヴィチ“交響曲第4番&第10番

ロシア・ナショナル管弦楽団によるショスタコーヴィチ交響曲全曲録音シリーズ。当ディスクではミハイル・プレトニョフ指揮で交響曲第4番と第10番が収録されました。

1978年に行われたチャイコフスキー国際コンクールのピアノ部門の覇者であるミハイル・プレトニョフ。自ら私財を投じ、財団や企業など様々なスポンサー獲得に奔走し1990年にロシア初となる民間出資のオーケストラとなったのがこのロシア・ナショナル管弦楽団です。楽団員の水準の高さと意欲に満ちたこのオーケストラは1990年11月のデビュー公演で大成功し、以後本拠モスクワでの定期演奏会に加え世界各国で目覚ましい活動を続けております。

ショスタコーヴィチ交響曲全15曲中、特異な謎に包まれた存在の第4番は彼の交響曲の中では最大の編成で134名を必要とします。聴き込めば聴き込むほど味わいが深まり、その都度何かしらの発見がある含蓄が深い作品で、3楽章制というのもショスタコーヴィチには初めての試みで、各楽章の構成は独自なもので、マーラーからの引用を含め、マーラーからの痕跡が明瞭です。ことに第3楽章ラルゴ-アレグロでは葬送行進曲風な楽想から一転して軽妙な楽想が導入されコミック・バレエの情景音楽のようなおしゃれなムードを盛り上げます。3つの楽章がA-B-A’といった三基型を感じさせ、全楽章とも弱音で終わるのが極めて特徴的です。

1953年に作曲された第10番はイニシャルから取ったDSCH音型が重要なモチーフとして使われています。スターリン体制が終焉し解放されたショスタコーヴィチ自身を表現しているのではないかとも言われている作品です。澄明な美しさを引き出すのに長けたプレトニョフは清新さを際立たせた演奏が印象的です。

演奏の素晴らしさはもちろんのこと、PENTATONEレーベルが誇る技術チームによる録音で、DSDレコーディング技術で収録されたマルチチャンネル対応の極上の高音質録音を楽しむことができます。
(キングインターナショナル)
【曲目】
ショスタコーヴィチ(1906-1975):
交響曲第4番 ハ短調 Op.43(1936)
交響曲第10番 ホ短調 Op.93(1953)
【演奏】
ミハイル・プレトニョフ(指揮)
ロシア・ナショナル管弦楽団
【録音】
2017年2月9-16日、第2フィルハーモニア(モスクワ)[セッション録音]
 
DSD recording

Recorded 9-16 February, 2017 at the Philharmonia-2, Moscow, Russia

Executive producer: Renaud Loranger

Producer, balance engineer and editing: Erdo Groot (Polyhymnia International B.V.)

Recording and balance engineer: Jean-Marie Geijsen (Polyhymnia International B.V.)

Recording assistant: Pavel Lavinenkov
 

ミハイル・プレトニョフSACD HYBRID:タワーレコード