VIVA!SACD

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SACDに特化した偏屈ブログ

フィンランドのALBAレコード昨年リリース作品がタワーレコード取り扱い開始

フィンランドのALBA RECORDS。多くのSACDをリリースしてますが、なかなか日本流通しないのが悩み所(すぐの物もあるんですが)・・昨年リリースの作品がようやくタワーレコードでも扱われる模様です。価格が安いのも嬉しいです
 

Late Music for the Virginals

『ウィリアム・バード、 ヴァージナルのための後期の音楽』

Amazon  タワーレコード
 
レオンハルトの弟子、アーポ・ハッキネンによるヴァ-ジナル作品集
 
ウィリアム・バード(1543–1623):
前奏曲 MB1
・サー・ウィリアム・ピーターのパヴァーヌとガイヤルドMB3
パヴァーヌとガイヤルドMB52
・さあジョン、私に口づけをMB81
・ファンタジアMB25
・カリーノ・カストゥラメMB35
・ガイヤルドMB77
ラクリメのパヴァーヌMB54
・ハーディングのガイヤルドMB55
ムッシュのアルマンMB44
・鐘MB38
・ソールズベリ伯爵のパヴァーヌとガイヤルドMB15
・私のうけた苦しみの訴えが情熱を動かすならMB113
・わが窓辺より去れMB79
オーランド・ギボンズ(1583–1625):ソールズベリ卿のパヴァーヌとガイヤルドMB18/19
アーポ・ハッキネンチェンバロ、ヴァージナル)
使用楽器:チェンバロ:Benedetto Floriani(c.1570) 
ヴァージナル:Joannes Ruckers(1604)
録音:2016年6月11日–13日、聖イグナチオ聖具室、サルッツォ、イタリア
制作・録音:ミッコ・ムルトニエミ

フィンランド古楽ミュージシャン、アーポ・ハッキネン(1976–)は、ルネサンス期イギリスのウィリアム・バードを彼のレパートリーに欠かせない重要な作曲家のひとりに位置づけてきました。彼がバードのヴァージナル曲を弾いた最初のアルバム(ABCD148)は、「輝かしいヴィルトゥオーゾ性からは本当の意味での興奮が生まれ、それでいながら、ざっくばらんな演奏スタイル、知的な充足感、気さくな性格は変わらない」(” Early Music Review” Robin Bigwood)と評されています。いつの時代にあっても五指に入る偉大な作曲家」と、ハッキネンの師事したグスタフ・レオンハルトが語るバードのヴァージナル音楽の第2集。「後期の音楽」を録音するにあたりハッキネンが選んだ楽器は、ベネデット・フロリアーニが1570年ごろ製作、1988年にリストアされたチェンバロと、アントワープのルッケルス兄弟の工房で製作されたヴァージナル(スピネット)。これらの楽器を所蔵するジュゼッペ・アッカルディの鍵盤楽器コレクションのある、イタリア、サルッツォに赴き、録音セッションが行われました。

Palmgren: April

パルムグレン:ピアノ協奏曲第4,5番

セリム・パルムグレン(1878–1951):
ピアノ協奏曲第4番 Op.85《四月》(1926–27)
ピアノ協奏曲第5番 イ長調 Op.99(1939–41)
3つの情景の田園詩Op.50(1918)【朝・エレジー・夕べ】
異国風の行進曲Op.46(1915 rev.1945)
ヤンネ・メルタネン(ピアノ)
ポリ・シンフォニエッタ ヤン・セーデルブロム(指揮)
録音:2016年2月15日–19日 プロムナードホール(ポリ、フィンランド
制作・録音:サイモン・フォックス=ガール


★ポリ・シンフォニエッタとヤン・セーデルブロムのパルムグレン作品集。ピアノ協奏曲第1番・第2番・第3番と《ヴァイオリンとピアノのための小品》を演奏した最初のアルバム(ABCD385)につづく第2集がリリースされます。ピアノ協奏曲第4番は、パルムグレンがアメリカのロチェスターに滞在していた時期に作曲され、帰国後、ナーンタリで完成しました。《四月》の副題をもち、5曲のピアノ協奏曲のうち印象主義の要素がもっとも鮮やかに示された、単一楽章の作品です。第5番は、ピアニスト、ヘルシンキ音楽院(現、シベリウス・アカデミー)のピアノと作曲の教授、批評家として多忙なパルムグレンが、第二次世界大戦中、作曲家として最後に積極的に作品を発表した時代を代表する作品です。古典的な語法と伝統的な3楽章の構成。1942年2月、初演の翌日、ラジオ放送で演奏を聴いたシベリウスから電話があり、賛辞が贈られたといわれます。《田園詩》は、1918年、フィンランド内戦の時代の作品です。アレグロ・ヴィヴァーチェの〈朝〉、抒情的な〈エレジー〉、弦楽セクションだけで演奏されるノスタルジックな気分の〈夕べ〉。《異国風の行進曲》は、ピアノのための《行進曲風に》を作曲者自身が管弦楽用に編曲した作品です。ピアノ協奏曲2曲は、コッコネンの作品集(ABCD127)、ショパンの《夜想曲》(ABCD160, ABCD190)とピアノ協奏曲(ABCD247)などの録音で知られるヤンネ・メルタネン(1967–)がソロを弾いています。

Fordell: Reflections of a Rive

『渓谷に映るもの-作曲家エーリク・フォルデルのポートレート

エーリク・フォルデル(1917–1981)
・民謡の調子で(1952)(弦楽オーケストラのための)
・歌(1955)(声と弦楽オーケストラのための)(ユーセフ・ヴェクセル 詩)
・北のロマンス(1950s)(ピアノのための)
・春の歌Op.1 no.1(1941)
(声とピアノのための)(ユーハン・ルードヴィーグ・ルーネベリ 詩)
フィンランド民謡風に(1950s)(ピアノのための)
・眠れぬ月夜(1946)(声とピアノのための)(エーリク・リンドルム 詩)
・四月最後の宵(1953)(声と弦楽オーケストラのための)(カトリ・ヴァラ 詩)
・オストロボスニアの民謡(1955)(弦楽オーケストラのための)
・三枚の渓谷の絵(1974)(弦楽オーケストラのための)
・オストロボスニアの民謡 I(I 1970)(弦楽オーケストラのための)
・まだ花が咲いている(1963)(混声合唱のための)(グンナル・ビョーリング 詩)
・渓谷のロマンス(1951)(ピアノのための)
・夜(声と弦楽オーケストラのための)(ヨエル・ルント 詩)
夜想曲(1940s)(ヴァイオリンとピアノのための)
・七月の夜は、もう明けようとしている(1946)
(声とピアノのための)(カール・スプルンド 詩)
・夏の牧場(1981)(混声合唱のための)(ヴィクトル・スンド 詩)
・オストロボスニアの民謡 II(I 1978)(弦楽オーケストラのための) 
・ディヴェルティメント・プラッカ II Op.6(1975)
(フルート、ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための)
即興曲(1950s)(ピアノのための)
ベネディクトゥス(1960)(ヴァイオリンとピアノのための)
・ピアノの楽譜Op.1(1962)(ピアノのための)
・大男の農夫(1976)(男声合唱のための)
・ヴィットサルの古い民謡(編曲)(1980)(弦楽オーケストラのための)
オストロボスニア室内管弦楽団 ユハ・カンガス(指揮) アヌ・コムシ(ソプラノ)
メーリ・プラッカ(ソプラノ) モニカ・グループ(メゾソプラノ
レイヨ・トゥンカリ(ヴァイオリン) キリル・コズロフスキ(ピアノ) 
テロ・タヴァラ(ピアノ)
アグレプタ合唱団 マーリン・ストゥールビョーク(指揮)
プラッカ四重奏団
ティモ・プラッカ(フルート) ペッコ・プラッカ(ヴァイオリン)
ハイナルカ・スタンディ(ヴィオラ) ラウリ・プラッカ(チェロ)
録音:2014年6月5日、2015年5月23日、2016年5月28日–6月1日、11月24日 
スネルマン・ホール(コッコラ、フィンランド
制作・録音:サイモン・フォックス=ガール
 
★エーリク・フォルデルは、フィンランド、コッコラのスウェーデンフィンランドの家に生まれました。ベンクト・カールソン、ユッシ・ヤラス、アーレ・メリカント、レオ・フンテクたちに学んだ後、オストロボスニアで作曲家、指揮者、ピアノ教師として活動しました。44曲の交響曲、協奏曲、室内楽曲、歌曲、合唱曲を作曲。1952年の《民謡の調子で》の弦楽オーケストラ版は、オストロボスニア室内管弦楽団をはじめとする北欧のアンサンブルがレパートリーにし、フィンランド放送など北欧を中心とする放送局も彼の作品を録音、ラジオ放送しています。『渓谷に映るもの』は、フォルデルが作曲したさまざまなジャンルとスタイルの音楽による「ポートレート・アルバム」です。

Salonen: Homunculus for String

ホムンクルス(Homunculus)』

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エサ=ペッカ・サロネン(1958–):ホムンクルス(2007)(弦楽四重奏のための)
ジェルジュ・リゲティ(1923–2006):弦楽四重奏曲第1番《夜の変容》(1953–54 rev.1958)
ベンジャミン・ブリテン(1913–1976):弦楽四重奏曲第3番 Op.94(1975)
カムス弦楽四重奏団
【テルヒ・パルダニウス(第1ヴァイオリン)、ユッカ・ウンタマラ(第2ヴァイオリン)、
ユッシ・トゥフカネン(ヴィオラ)、ペトヤ・カイヌライネン(チェロ)】
録音:2016年9月1日–4日、聖カタリナ教会(カルヤー、フィンランド
制作・録音:サイモン・フォックス=ガール

シベリウス・アカデミーの学生たちが2002 年に結成した弦楽四重奏団「カムス」のアルバム第3作。前作の『異なった声』(ABCD383)ではシベリウスの《内なる声》とカイパイネンとティエンスーの四重奏曲を演奏、新作では、彼らが学んだブリテン=ピアーズ・プログラムで知った「海を強く志向した」ブリテンの作品を中心に「海と人生」を考察したプログラムが組まれました。「遠い昔から、人生は海になぞらえられてきた。波浪、大嵐、潮の流れが弱まって停止する憩流には、私たちに語りかけ説明する力がある。とりわけ、海に面した国々は常に畏怖の念を抱き、その身勝手な原理を愛し、魂の伴侶とみなしてきた」。フィンランドのエサ=ペッカ・サロネン(1958–)は、近年作曲家としてより指揮者として名を挙げておりますが、作曲をラウタヴァーラ、イタリアのドナテッリとカスティリョーニに学び、代表作のひとつに挙げられるアルト・サクソフォーン協奏曲(1980)や《L. A. Variations》(1996)など、40数曲の作品を発表してきました。この《ホムンクルス》は、ニューヨークのアイスリップ・アーツカウンシルなどの委嘱で作曲されました。錬金術師が作り出す人造人間(ラテン語「小人」)の曲名が示唆するとおり「室内楽」という小さな型につめられた大きな音楽とみなされています。リゲティ弦楽四重奏曲第1番《夜の変容》は、彼がハンガリーから亡命する前、バルトークの第3番と第4番の四重奏曲からインスピレーションを得て作曲されたという単一楽章の作品です。ブリテン弦楽四重奏曲第3番は、海を眺めながら死んだ芸術家を主人公とするオペラ《ヴェニスに死す》の2年後に書かれた、最後の作品群の一作。ブリテンの私的遺言とも考えられ、オペラからの引用のある最後の第5楽章〈レチタティーヴォパッサカリア〉には、ヴェネツィアのニックネーム「La Serenissima(こよなく晴朗なところ)」のタイトルがつけられています。

Requiem

ペッカ・コスティアイネン(1944–):レクイエム(Requiem)(2016)
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スヴィ・ヴァユリネン(ソプラノ) エナ・ポングラクメゾソプラノ
シモ・マキネンテノール) タパニ・プラトハン(バス) ムシカ合唱団
ユヴァスキュラ・シンフォニア 聖ミカエル弦楽オーケストラ ヴィッレ・マトヴェイェフ(指揮)
録音:2016年10月30日、11月1日 ミカエル・ホール(ミッケリ、フィンランド
制作・録音:サイモン・フォックス=ガール

フィンランドのペッカ・コスティアイネ(1944–)は、主に合唱音楽の作曲家として知られています。100曲を超す合唱作品は、児童合唱のための作品、宗教作品、フィンランド民族叙事詩集『カレヴァラ』にテーマを求めた作品と、大きく3つに分類され、『不滅の詩人』(Alba NCD49)をはじめとする Alba Records の「コスティアイネン自作を指揮する」シリーズで紹介されてきました。《レクイエム》は、ユヴァスキュラ教区とユヴァスキュラ・シンフォニアシンフォニアフィンランディア)の共同委嘱により作曲された作品です。〈主よ、永遠の安息を彼らに与え〉〈あなたに賛歌が捧げられ〉〈キリエ〉〈涙の日〉〈主イエス・キリスト〉〈賛美の生贄と祈り〉〈聖なるかな〉〈慈悲深き主、イエスよ〉〈神の子羊〉〈永遠の光〉〈楽園へ〉。「平安、慈悲、光、愛」を清冽、抒情、輝かしい音楽に表すため、〈涙の日〉をのぞき、〈怒りの日〉のように来世を暗く描いた章が省略されています。ユヴァスキュラ・シンフォニアの首席指揮者ヴィッレ・マトヴェイェフ(1986–)は、《チェロ協奏曲》や《アド・アストラ》(ABCD364)などの作曲家としても知られます。トゥルク音楽祭の芸術監督。2020年からサヴォンリンナ・オペラ・フェスティヴァルの芸術監督に就任する予定です。