IFPI SID Code?なんじゃそりゃ?
お手持ちのSACD(CDでもDVDでもいいですが)のデータ面を御覧ください。真ん中の穴の開いた周りに
チョコチョコと小さな文字やらバーコードやらが書かれていると思います。
そこのIFPI○○~と書かれているやつです。
世界各国のプレス工場識別ナンバーですね。簡単に言うと。
音質に拘りをみせる層にLPの時代から言われる
海外盤と国内盤の音質が違う!!
という問題。これはCDになっても同じく有り、「デジタルなのに??」とオカルトめいた話に。
実はオカルトでも何でもなく、LPでもCDでもカッティング~スタンパー製作~プレスの行程は変わってないんです。ですのでカッティングやスタンパーの精度によって音質に差が出るんです。その差は製造された工場の機械の性能差。またミリオン級(最近少ないですが)アーティストのCDですと1工場ではまかないきれないので、複数マスターを製造し、複数工場で製造するわけです。ですので自分が持ってるCDと友人が持っているCDのプレス工場が違う!なんて事もあるでしょう。また音質の違いも微妙にあるでしょうし、プレスが大量になるとスタンパーもヘタリますので、プレス順によっても音質に差があるかも・・
よって音質のバラつきは無い、と考えてよろしいかと。SACD、とくにHYBRIDを製造する機械は高価だそうで、しかもそんなに売れるもんじゃないので・・と。。ガンガン売れて工場フル稼働させたいものです。そこから雇用が生まれて景気回復、です。配信は便利だけど製造も流通も小売も動かないからどんどん仕事が減る、雇用が減る、失業したら音楽なんて楽しむ余裕は・・そんな懸念が私が配信に手を出さない理由・・閑話休題
もうお手持ちのSACDをご確認されたでしょうか?
国内盤であれば大概はIFPI L271と書かれていませんか?HYBRIDの場合2つ書いてあると思います。外周りに書かれている方がSACDです。内周りにはIFPI L275など別の番号が書かれていると思います。HYBRIDは製造別々なんですかね??
海外盤を見ますと・・
最近の
Analogue Productionsのブルーノート再発シリーズを購入されてる方はお気が付きでしょうが
[DISC MADE IN AUSTRIA]とシールが貼られています。これは
IFPI L556
そーそー、ピンクフロイド「狂気」
同じくAnalogue Productionsでもダグ・サックス・真空管マスタリング・シリーズなんかは
薄くて見づらいですが
のマークがあると思います。ナンバーはIFPI 07~かと。
これはドイツにあるソノプレスという工場です。Sonopress社は
BMGの自社工場で、BMGだけでなくヨーロッパの様々なレーベル、
PENTATONE、RCOもこの工場でのプレスのようです。Living Stereoシリーズもここのプレスで有名ですね。
ただ同一メーカーがいつも同じ工場とは限らないようです。
国内アーティストもわざわざドイツ・プレスという拘りを見せるものも
*追記
この記事について、上記の「オンド・マルトノの世界」の録音・オーサリングを手掛けられたエンジニアから連絡を頂きました。「「1」は吉田工場ですよ」とのご指摘で、確認しましたらL271でございました。ランダムで確認してましたので、「2」のみを見て「1」もそうだろうと記してしまいました。SACDプレス工場はクオリティが保たれているので品質に差は無いのですが、誤解が生じるおそれがありますので訂正いたします。
CDの話ですが奥田民生や大滝詠一なんかはプレス工場も指定していたそうですね。フィリップス時代の内田光子は欧州盤と国内盤であまりに音が違うためクレームを付けた事もあるとか・・現在は差は少なくなってるでしょうし、ソニーは2000年中期に統一したとかなんとか。
SACDだとバラつきが無いので面白くない(種類も少ないし・・)かもですが、CD、DVDも含めちょっと気にして、CDプレス工場に思いをはせてみるのもいいかも知れません。多くの人が携わって素晴らしい音楽が届けられるんですね。元阪神タイガース和田豊(現コーチ)は引退セレモニーで「甲子園園芸の皆様ありがとうございました」といつもグランド整備をされてる裏方さんにまで謝辞を述べたそうです。音楽もアーティストのみならず、プロデューサー、エンジニアやプレス工場の技師にまで感謝の気持ちで聴くとよりいっそう美味しいかも知れません。
面白い発見があるかもですので、今後注視してみたいと思います