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SACDに特化した偏屈ブログ

ラトル&LSO~ハイドンの傑作楽章集

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ハイドン:想像上のオーケストラの旅  サイモン・ラトル ロンドン交響楽団
ラトルが愛してやまない作曲家、ハイドンロンドン交響楽団を指揮しての、ハイドン交響曲とオラトリオなどからのよりすぐり楽章で構成した「想像上のオーケストラの旅」の登場です。すでにラトルは同様のプログラムをベルリン・フィルと演奏しており、話題となったのも記憶にあたらしいところです。ハイドンの作品の中でもとりわけ際だった存在で、先見の明に満ちた楽曲をあつめて「グレイテスト・ヒッツ」のようなプログラムを作りたかったと語るラトル。ここでも、ハイドンの楽曲それぞれのキャラクターをラトルとLSOはもらさず活き活きと表現しています。また、興味深いのが笛時計のための音楽も収録されているところ。「告別」の終楽章で、照明が徐々に落とされる中、楽団員が一人一人席を立って、最後にはラトルもステージを去り、ステージ上に誰もいなくなると、ホール内のスピーカーから、笛時計の音色(録音)が流れます。この笛時計は、機械仕掛けのオルガン(メカニカル・オルガン)で、音色は手まわしオルガンに似ています。エステルハージー家にもこの笛時計が置かれていたとされており、ハイドンはこの笛時計のために弦楽四重奏「ひばり」終楽章の編曲など、32曲の小品を残しています。エステルハージー家でもこのように時計が鳴り響いていたのだろうか、と聴衆はタイムスリップしたような、不思議な世界にいざなわれます。その後団員たちがステージに再び結集し、交響曲第90番のフィナーレが最後に演奏されます。偽の終止のところでの聴衆の拍手と笑い声も収録。本当に終止した時のあらためての盛大な拍手も収録されています。ユーモアの国、イギリスならではのセンスと聴衆の反応、そしてなによりラトルとLSOの細かな機微までぴたりと息の合った、愉悦のハイドンに大満足の1枚です。
キングインターナショナル


ハイドン・想像上のオーケストラの旅』

【曲目】
I. オラトリオ『天地創造』より第1部 第1日「ラルゴ:混沌の描写」
II『. 十字架上のキリストの最後の7つの言葉』より終曲「地震
IIIa『. 無人島』Hob.Ia:13よりシンフォニア〈ラルゴ-ヴィヴァーチェ・アッサイ〉
IIIb『. 無人島』Hob.Ia:13よりシンフォニア〈アレグレット-ヴィヴァーチェ
IV. 交響曲第64番 イ長調 Hob.I:64「時の移ろい」より第2楽章〈ラルゴ〉
V. 交響曲第6番 ニ長調「朝」Hob.I:6より第3楽章〈メヌエット
VI. 交響曲第46番 ロ長調 Hob.I:46よりフィナーレ〈プレスト〉
VII. 交響曲第60番 ハ長調 Hob.I:60「うかつ者」よりフィナーレ〈プレスティッシモ〉
VIII. オラトリオ『四季』より第4部 冬「序奏」
IXa. 交響曲第45番 嬰ヘ短調 Hob.I:45「告別」よりフィナーレ〈プレスト〉
IXb. 交響曲第45番 嬰ヘ短調 Hob.I:45「告別」よりフィナーレ〈アダージョ
X. 笛時計のための三重曲集よりHob.XIX:1-32(抜粋)
XI. 交響曲第90番 ハ長調 Hob.I:90よりフィナーレ〈アレグロ・アッサイ〉
(最終トラックでは、偽終始の箇所と、楽曲の最後それぞれに拍手が収録されています)

【演奏】
サー・サイモン・ラトル(指揮)
ロンドン交響楽団

【録音】
2017年7月11&12日、バービカン・センター(ロンドン)、ライヴ