VIVA!SACD

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SACDに特化した偏屈ブログ

鑑賞感想記:メモリーズ・オブ・プリミティヴ・マン Seigen Ono 、 パール・アレキサンダー SACD HYBRID DSD録音

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モリーズ・オブ・プリミティヴ・マン Seigen Ono 、 パール・アレキサンダー

タワーレコード

HMV

Amazon

 ソニーミュージックショップ

 

今後(いや、もう既に?)、ストリーミングで定額〇〇円で聴き放題!という所謂サブスクが主流の音楽鑑賞ツールになる。

世界中の音楽が簡単に聴く事が出来る、アルバム1枚探しに四苦八苦してた世代としては夢の様な素晴らしい音楽環境。しかし、懸念はある。

定額聴き放題というと、ありとあらゆる音楽の中でより分かりやすく、印象付けのインパクト重視になりやしないか・・ちょっと取っつきにくいけど、頑張って買ったアルバム、何度もむさぼる様に聴き良さを理解した思い出がありますが、そんな作品はスキップされる。例えば焼肉でも高い店なら吟味して味わうが、食べ放題だと味は二の次満腹優先みたいに、音楽も消費されてしまうんじゃないか・・

おっさんですね~(笑)

 

前振りが長くなりましたが、この「メモリーズ・オブ・プリミティヴ・マン 」は分かり易さやインパクトとは対極の音楽。スマホはおろか余計な明かりさえも消して浸りたい音楽。1回2回聴いたくらいでは全然理解できない「なんじゃこりゃ」です(勿論、即気に入る方もいらっしゃる。私は門外漢でしたので)。

でも何故か癖になる、もう1回聴いてみよう、もう1回、、もう1回、、そうしてるうちに凄さに気付いて大好きな作品になる。こういう作品は今も売れないんですが、今後はもっと厳しくなるのでは?と思ってしまうのです。音の良さもこの手の作品を理解するには大事な要素だと思いますしね。

music (and food) make people happy

オノセイゲンは世界的レコーディング・マスタリング・エンジニアでミュージシャンとしても高い評価を得る「音の魔術師」。今作で相方を務めるのはコントラバス奏者のパール・アレキサンダー

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重厚かつエレガントなコントラバスの音色が不穏に鳴り響き、そこに足音、会話、ジャングルのざわめき。

2013年から始まった二人の録音プロジェクトは当初CD発売を想定していなかったものだという。それが2015年に行われた「大恐竜人間博」の依頼を受け、この録音がピッタリだと採用され、そこに2010年にオノセイゲンが南米アマゾンでフィールドレコーディングした環境音サウンド音源を編集した物が加わる。そして「大恐竜人間博」を母体としながらも新録・新曲が追加され、オリジナル・アルバムへと成長したのが本作。

オノセイゲン作品ではお馴染みのアート・リンゼイ(g)、ジョン・ゾーン(sax)に、ビル・フリゼール(g)、世界的パーカッション奏者ナナ・ヴァスコンセロスのハイハット、足音は振付家のアマンダ・ミラー(バレエシューズ)、スーザン・デイヒム(ヒールでモデルウォーク)と豪華な面々の音も。

 

音と音の間の静寂に、感情が宿るのが音楽です

コントラバス・パートは、ボーカル用ハンドヘルド・マイクFA4018VDPABだけで録音したそうです。コントラバスのボディや弦をこする“耳を澄ます”ような奏法や、ピアニッシモの音をとらえるには、超指向性で感度が高く、かつハンドリング・ノイズが少ないFA4018VDPABが非常に有効だそうです。

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FA4018VDPAB。スティーヴィー・ワンダーやスティングらがステージでも愛用する超指向性マイク。オノ氏はボーカル・マイクとしての素性の良さに加え、「どんな小さな音もクローズアップ・レンズのように録れる」とその性能を評価する

 マスターはEMM ADC8 5.6MHz DSD音源

それとRME UFXで録音5.1ch サラウンドMix

プロダクションはProTools11 96KHz32bit

 

私がコントラバスの音色が大好きなのもあって、ずーっと聴いていたい。コントラバスををこれほど堪能出来る、しかもDSD録音となればこのアルバム以外には今のところ無い。万人受けする音楽では全く無いものの、オノセイゲン・ファン、コントラバス好き、または同じくコントラバス奏者のゲイリー・ピーコックが東洋思想に影響を受け、菊地雅章富樫雅彦、村上寛と録音した1971年「ヴォイセズ」の世界観が好きな方は是非聴いて欲しいなと思います。

 

私は残念無念ながら現在マルチchを聴ける環境に無いのですが、このアルバムはマルチchが凄いらしい・・マルチch環境にある方、是非聴いてみて下さい。

 

この二人の新作もSACDで聴きたいのですが、オノセイゲンは拘りに拘る方で、編集にお金が掛かり過ぎるは売れないわで・・実は既に録音している物があるらしいのですが、、今からでも大ヒットして予算OK出ないかなと思う次第です。。

上記の事もあり、予算削減の苦肉の策で生まれたのがDSDダイレクト録音シリーズ。一発録りの編集ナシが凄腕ミュージシャンだったからこそ音楽的に功を奏したのですが、誰でも彼でもが出来る技ではない。音楽が売れない時代は当然予算も厳しく。。無編集の生々しさも大好きですが、練りに練られた構築美の本作品も素晴らしい。音楽好きは音楽に投資したものです。それが大きな実りとなって返ってくるのですから。

 

<Tracklist>

01- BEANS (2:20)                 Composed by Seigen Ono
02- Some Special Where (1:04) ※Composed by Seigen Ono and Arto Lindsay
03- Memories of Primitive Man (7:29) Composed by Seigen Ono
04- Contra Tempo (2:27) ※Composed by Seigen Ono and Arto Lindsay
05- Iowa Corn Field (5:06) Composed by Seigen Ono
06- Amazon Rainforest Three (2:12) ※Composed by Seigen Ono
07- Samurai Jam (4:08) Composed by Seigen Ono and Pearl Alexander
08- Heel and toe (6:10) ※Composed by Seigen Ono and Arto Lindsay
09- Running away (1:21) Composed by Pearl Alexander and Seigen Ono
10- Never Never Change (1:59) ※Composed by Seigen Ono and Arto Lindsay
11- Dinosaurs don't feel sorrow (5:36)
Word by Seigen Ono/Composed by Seigen Ono and Pearl Alexander
12 - I only hope I will be delicious (6:59) Composed by Seigen Ono
13- Widespread Rain (4:48) ※Composed by Seigen Ono and Arto Lindsay
14- Yes I remember you (9:22) Composed by Seigen Ono
15- Amazon Rainforest Four (1:44) ※Composed by Seigen Ono
16- Yes I remember you refrain (2:41) Composed by Seigen Ono


Composed, Produced and Engineered by Seigen Ono
Recorded, Mixed and Mastered at Saidera Mastering, January 2013 to June 2015

Contrabass on all tracks by Pearl Alexander

Guitar on “Iowa Corn Field” “Running away” “Dinosaurs don't feel sorrow” by Seigen Ono, Singing on tracks “BEANS” “Running away” by Pearl Alexander. An intelligent conversation by Pearl Alexander and Arto Lindsay, voice by Yuki Ono (Multi-ch only) on “Dinosaurs don't feel sorrow” and “I only hope I will be delicious” recorded at Saidera Mastering studio and a soba restaurant, June 2015. They are talking about the space, ambience, presence of a live venue, stillness and beautiful reverberation. “Amazon Rainforest Three” “Amazon Rainforest Four” Recorded in Manaus 2010 September by Seigen Ono

A&R:MOTOICHI SUGITA(SMJI)

 

 

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