VIVA!SACD

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SACDに特化した偏屈ブログ

ティファニー  イエスタデイ&イエスタデイズ

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1. イエスタデイ|イエスタデイズ
2. ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ
3. オン・グリーン・ドルフィン・ストリート
4. 静かな夜
5. やさしく歌って
6. ダウン・セント・トーマス・ウェイ
7. 荒城の月
8. イン・ア・メロウ・トーン
9. スウィート・ジョージア・ブラウン
10. ブレイム・イット・オン・マイ・ユース
11. トゥ・ラヴ・アンド・ビー・ラヴド
12. エヴリシング・マスト・チェンジ

2009 SACD/CD HYBRID  STEREO DSDRecording 音匠仕様


本格的ジャズヴォーカリストティファニーの4thアルバム。
前作は「五木の子守唄」で度肝を抜くオープニングでしたが、今回は
海野雅威(うんのただたか)のふくよかで優しいピアノと共にビートルズの名曲「イエスタデイ」で幕を開ける。そしてジェローム・カーン&オット・ハーバッハの「イエスタデイズ」へとメドレー形式でなだれ込む。リズミカルに躍動するティファニーとカルテットの演奏。そしてまた静かに「イエスタデイ」で切なく閉める。これまた期待感を膨らませる実に美味なオープニングだ。そしてその期待は裏切られる事なく進む

1stではまだ「若い」というか、厳しく言わせてもらうと自分の歌の上手さに酔ってる感があったティファニーですが、作品毎に成長が伺える。もはや貫禄を感じる堂々たる歌唱だ。特にバラードの味わいが増し、かつハードに歌い上げる場面でもただ「前へ前へ出る」だけでなく「引き」が感じられる。

ティファニーのアルバムはいつも豪華なミュージシャンが参加しており、各演奏に耳を欹てるだけでも十分に美味な内容なのが嬉しい。何度も味わえる。
これまでの御馴染みのメンバー、先の海野や秋田慎治(p)井上陽介(b)ジミー・スミス(ds)小沼ようすけ(g)レイモンド・マクリーン(SAX)井上信平(f)に加え、嬉しい参加は
日本を代表する名ベテラン・ピアニスト山本剛。2での片岡雄三のトロンボーン・ソロと山本のピアノは実に素晴らしい。浪速のスーパー・ドラマー、東原力哉のパワフルなドラムにもきっと耳を奪われるでしょう。ベテランの土岐英史のサックスソロと小沼のギターソロが栄える3、12の祖田修のピアノと土岐のサックスがティファニーの感情の高ぶりを煽る12はアルバムの最後を飾るにふさわしい。他にもポール・ドワイヤー(b)田辺充邦(g)鈴木央紹(SAX)とトップ・プレイヤーがずらり。これだけのメンバーをバックに、存在感を失わないティファニーも凄い


日本人に嬉しい滝廉太郎の名曲「荒城の月」英詩ヴァージョンで歌われているのも嬉しい。この曲は皆さん小学校の音楽の授業でも御馴染みでしょう。この曲はジャズ・ピアニスト、コンポーザーの最高峰セロニアス・モンクもカヴァーしていましたし、ジャーマン・ハードロック・バンドのスコーピオンズも来日公演で歌った事でも有名ですね。世界が抱く日本の美を象徴する曲と言えるのではないでしょうか


日本のエンジニアで私が絶大な信頼を置く伊藤八十八(yasohachi itoh)のプロデュースは今回も素晴らしい。レコーディングエンジニアは篠笥 孝(takashi sasaki)。マスタリングは鈴木浩二(koji suzuki)。DSDレコーディング。
スタッフの名前に彼らと、オノ・セイゲン(seigen ono)、広兼輝彦(mituhiko hirokane)の名前を見つけたら、まずハズレが無いと言っておきます


唯一残念なのは88レーベルから09年の新譜はこれ1枚だけという事(ハンク・ジョーンズはベストでしたから・・)。良質の演奏を良質の音で楽しめる機会が少ないのは寂しい。ジャズも頑張ってほしい。


パフォーマンス:★★★★☆
音質:★★★★★
お気に入り度:★★★★☆
お薦め度:★★★★
総合:88