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SACDに特化した偏屈ブログ

児玉桃によるメシアン「鳥のカタログ」豪華3枚組みで

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世界的なメシアン演奏の第一人者であるピアニスト、児玉桃のニュー・アルバム『メシアン:鳥のカタログ(全曲)』(OVCT-00060 税込7,500円)が1月20日にリリースされます。

 2008年のメシアン生誕100年のメモリアル・イヤーに“児玉桃 メシアン・プロジェクト”と題して、5回の演奏会でメシアンの主要曲を演奏するという意欲的な企画で話題となった児玉桃。それらの演奏会は演奏内容、企画ともに大きく評価され、芸術選奨文部科学大臣新人賞、中島健蔵音楽賞を受賞しました。

 今作は高い評価を受けた前作『幼児イエスにそそぐ20のまなざし』に続き、メシアンの大作『鳥のカタログ』に挑んだアルバム。真摯にメシアンの持つ世界観に向き合い、日本人離れした美しいタッチと音色で描いてゆきます。要求される難易度の高いテクニックもしなやかに奏で、ただテクニックのみで片付けられがちのこれらの曲を、高次元な世界で演奏。初演者のイヴォンヌ・ロリオも認める理由がわかります。

 メシアンは鳥類学者としても知られ、鳥の歌声を採集していました。日本にでも軽井沢などで採集されています。その結果生まれたのが『鳥のカタログ』。13匹の鳥がタイトルについていますが、全部で70種以上の鳥の歌声がこれらの曲には収められています。

 一般的には難しい曲と捉えられていますが、メシアンの鳥に対する愛情と自然への慈愛を感じとることができます。『まなざし』が神への祈りの曲だとすれば、この『カタログ』は自然(鳥)の驚異を表わしていると言えるでしょう。

 充実したブックレットも付いた豪華3枚組ボックス・セットによる発売。メシアンの魅力を後世に伝える作品です






Profile

児玉桃(ピアノ) Momo Kodama,piano
バッハからメシアンを含む現代作品まで、幅広いレパートリと豊かな表現力で国際的に活躍する。
幼少よりヨーロッパで育ち、パリ国立音楽院に学ぶ。1991年、ミュンヘン国際コンクールに最年少で最高位入賞。
その後、ケント・ナガノ指揮ベルリン・フィル小澤征爾指揮ボストン響、モントリオール響、ベルリン・ドイツ響など、世界のトップ・オーケストラと共演。シャルル・デュトワ指揮NHK交響楽団とのアジア・ツアー、ウィーン八重奏団との日本ツアーなど、キャリアを築く。
2004年5月、名古屋フィルとのヨーロッパ・ツアーでメシアン「トゥランガリーラ交響曲」を演奏。イタリアではペルトの新作協奏曲をイタリア国営放送(RAI)響と共演。11月にはロジャー・ノリントン指揮シュトゥットガルト放送響とのドイツ・日本ツアーでも成功を収めた。
2005年、南仏ラ・ロック・ダンテロン音楽祭に参加。「ショパンの芸術の真髄とも言える熱狂的な演奏・・・」(ル・モンド紙)と絶賛された。
2006年4月、北ドイツ放送響の定期演奏会細川俊夫「月夜の蓮」(世界初演)とモーツァルトのピアノ協奏曲を演奏。12月には小澤征爾指揮水戸室内管の定期演奏会でも同企画で演奏。いずれも高く評価された。
2008年6月、再び細川俊夫「月夜の蓮」をもって水戸室内管のヨーロッパ・ツアーに参加。8月にはルツェルン音楽祭で細川俊夫の新作「時の花」(児玉桃のために作曲された)を世界初演。さらに、メシアン生誕100年を記念して「児玉桃メシアン・プロジェクト2008」を敢行。「幼子イエズスに注ぐ20の眼差し」「鳥のカタログ」「世の終わりのための四重奏曲」など、5回にわたるシリーズ公演を行い、新聞・雑誌等で絶賛された。
「ドビュッシー:impressions」「ショパン:ピアノ作品集」「メシアン:幼子イエズスに注ぐ20の眼差し」などのCDがリリースされている(オクタヴィア・レコード)。
パリ在住。