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SACDに特化した偏屈ブログ

BISから注目SACD新譜続々シャロン・ベザリー&アシュケナージ スーイエ・パク カレヴィ・アホ

鈴木雅明率いるバッハ・コレギウム・ジャパンのメンバーによるバッハの《音楽の捧げもの》、《14のカノン》、
スドビンのシューマン&ブラームス室内楽、に続いてBISから注目新譜続々です
 

Franck/Faure/Prokofiev

Franck / Faure / Prokofiev: Flute Sonatas - Bezaly / Ashkenazy

フルート界の女王シャロン・ベザリーの期待の新譜はフランク、フォーレプロコフィエフソナタで、共演はなんとアシュケナージという超強力盤です。ランパル版のフランクのソナタはフルート奏者の必須レパートリーの一つでありベザリーも大切にしてきた最重要作品です。また、パールマンなど様々な演奏者と演奏してきたアシュケナージも同様にフランクのソナタは最も得意な室内楽作品の一つです。第1楽章の冒頭から透き通るような美音でフルートとピアノが対話するかのように音楽を展開。堂々たる二人の演奏はまさに圧巻の仕上がりです。フォーレソナタはベザリーによるフルート版です。流麗洗練の極みであるフォーレの旋律。冒頭から音楽に対する敬愛を感じるアシュケナージの美しきタッチに驚かされます。そして、ベザリーの圧倒的なテクニックと雄弁な語り口で極上のフォーレを聴かせてくれます。当演奏により当作品の魅力を再認識することができるでしょう。プロコフィエフのフルート・ソナタは、オイストラフが依頼したヴァイオリン・ソナタ第2番の原曲。ウィットに富む明快な旋律と均整のとれた構成のこのフルート・ソナタはドラマティックな描写やダイナミックな迫力をもちます。アシュケナージプロコフィエフのピアノ協奏曲の全曲録音をはじめピアノ・ソナタも録音しており、アシュケナージにとってプロコフィエフは母国ロシアの最も得意とする作曲家の一人です。雄弁なベザリーのフルートとアシュケナージのピアノが見事なアンサンブルを生み出します!
キングインターナショナル
 
【曲目】
(1)フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調(ジャン=ピエール・ランパル編曲によるフルート版)
(2)フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ長調(シャロン・ベザリー編曲によるフルート版)
(3)プロコフィエフ:フルート・ソナタ ニ長調Op.94

【演奏】
シャロン・ベザリー(フルート;Muramatsu 24k All Gold Model)
ウラディーミル・アシュケナージ(ピアノ;Steinway D)

【録音】
セッション録音:(3)2016年3月、(1)(2)2016年11月/ポットン・ホール(サフォーク州/イギリス)
 
 

Paganini: 24 Caprices

Paganini: 24 Caprices - Sueye Park

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2000年生まれの韓国人ヴァイオリニスト、スーイエ・パクがなんとパガニーニの24のカプリースで堂々のデビューです!2000年生まれということですので16歳で録音を完成させたことになります。4歳の時にヴァイオリンをはじめたパクは2009年よりベルリンにて名ヴァイオリニスト、ウルフ・ヴァリーンに師事。彼女の驚くべき才能に惚れ込んだヴァリーンはハンス・アイスラー音楽大学ベルリンで学ぶように薦め、すぐさまその才能を開花させた稀有な存在です。五嶋みどりサラ・チャンを思わせる神童ぶりで10代とは思えないほどの完成されたテクニックと成熟した音楽を聴かせてくれます。ヴァイオリンのあらゆる技術が要求されるパガニーニの24のカプリース。低音から高音まで音域の広いアルペッジョ、左手のピツィカート、オクターヴ、ダブル・トリルなど、超絶技巧のオンパレードですが、パクは技術的な難解さを感じさせず、聴き手を音楽に没入させる表現力を持ち合わせております。21世紀の要注目ヴァイオリニスト、スーイエ・パク。大注目のヴァイオリニストです!
キングインターナショナル
 
【曲目】
パガニーニ:24のカプリース Op.1

【演奏】
スーイエ・パク(ヴァイオリン;1739年製グァルネリ・デル・ジェス(弓;1865年製ハインリッヒ・カール・クノッフ))

【録音】
セッション録音:2016年9月、10月/スタジオ・アクースティクム(ピテオー/スウェーデン)
 

Aho: Concerto for Saxophone

Aho: Saxophone Concerto, Quintet for Winds and Strings - Paulsson, Storgårds

カレヴィ・アホは、フィンランド南部のフォルッサ生まれ。シベリウス・アカデミーでラウタヴァーラ、ベルリンのボリス・ブラッハーに作曲を学びました。《虫の生活》をはじめとする5曲のオペラ、16曲の交響曲など、大規模な管弦楽作品と、室内楽、声楽のための作品を中心とする作曲活動を行っています。《ソプラノ・サクソフォーンと室内管弦楽のための協奏曲》は、2016年までにアホが完成させた28曲の協奏曲のひとつ。ラップランド室内管弦楽団がアンデシュ・パウルソンのために委嘱、2014年秋から2015年の2月にかけて作曲されました。「ソプラノ」の誘いかけるような旋律をもつ長い序奏に始まる〈インヴォカティオ(祈り)-プレスト-カデンツァ〉、「ネバーエンディング」の旋律が「神秘」を語る〈ミステリオーゾ、ラルゴ〉、「ヴィルトゥオーゾ」のパッセージから「沈黙」へと消えゆく〈アレグレット・マルカート-プレスト-クワジ・エピローゴ〉の3楽章構成です。ソリストのアンデシュ・パウルソン(1961-)は、スウェーデンのサクソフォーン奏者です。マンハッタン音楽学校、ストックホルム王立音楽大学ボルドーの音楽院で学び、クラシカル、ジャズ、ワールド・ミュージックのプレーヤーとして活動。珊瑚礁熱帯雨林を保護する基金に捧げられた合唱曲《ダニュガン・サンクチュアリ》などの作曲でも知られます。彼はソプラノサックスのトップランナーと目され、アホの作品の他、アメリカのジュディス・クラウドスウェーデンのロルフ・マッティンソンたちも彼の楽器のために協奏曲を作曲しています。《木管楽器とピアノのための五重奏曲》は、ドイツ、ロットヴァイル夏の音楽祭の芸術監督を務めるオーボエ奏者のインゴ・ゴリツキのために作曲された作品です。モーツァルトの《五重奏曲 変ホ長調》(K.452)と同じ「オーボエクラリネットファゴット、ホルン、ピアノ」の編成。〈トランクィッロ-アレグレット・オンデッジャンテ(やや速く、波立って)〉〈トッカータ〉〈ノクトゥルノ〉〈ブルレスコ〉の4楽章から構成されています。《ソロI》は、ファゴットのための《ソロV》(BISSA-2206)など、これまでに12曲が書かれた一連の「独奏曲」の最初の作品。ゆったりした序奏につづく「プレスト」の音楽に、原始的で鋭利なリズムによる手法にストラヴィンスキーの影がうかがえる、シベリウス・アカデミーでアホが作曲とともに学んだ楽器「ヴァイオリン」のヴィルトゥオーゾ性の高い小品です。
キングインターナショナル
 
【曲目】
カレヴィ・アホ(1949-):
(1)ソプラノ・サクソフォーンと室内管弦楽のための協奏曲(2014-15)
(2)木管楽器とピアノのための五重奏曲(2013)
(3)ソロI~ヴァイオリンのための(1975)

【演奏】
(1)アンデシュ・パウルソン(ソプラノ・サクソフォーン)、
ラップランド室内管弦楽団、ヨン・ストゥールゴールズ(指揮)
(2)ヴァイノ・ヤルカネン(ピアノ)、
ラップランド室内管弦楽団員、
マルック・モイラネン(オーボエ)、
ペッカ・ニスカネン(クラリネット)、
アンタル・モイゼル(ファゴット)、
ルッカ・ププッティ(ホルン)
(3)ヤーコ・クーシスト(ヴァイオリン)

【録音】
セッション録音:(1)(2)2015年11月/コルンディ文化の家(ロヴァニエミ/フィンランド)、
(3)2017年4月/カレヴィ・アホ・ホール(ラハティ/フィンランド)

ヨン・ストゥールゴールズSACD:タワーレコード