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SACDに特化した偏屈ブログ

冨田勲の『ダフニスとクロエ』『ボレロ』がオリジナル4チャンネル・ステレオで復活

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ラヴェル:「ダフニスとクロエ」「ボレロ冨田勲
 
英ダットン(Dutton Vocalion)は1997年に設立されたレーベルです。クラシックやイージーリスニングの歴史的名盤を聴きやすい音質で続々とCD化し、オールドファンの注目を浴びました。近年は1970年前後のLPレコード時代の4チャンネル・ステレオ(QUADRAPHONIC)のSACDハイブリッド化に力を入れており、イージーリスニングのタイトルで実績を残したあと、2017年2月よりクラシックの名盤のSACDハイブリッド化に取り組みました。ブリーム(ギター)、ビッグズ(オルガン)、ズーカーマン(ヴァイオリン)、ルービンシュタイン(ピアノ)、ストコフスキーバーンスタインブーレーズレヴァイン(指揮)など、14タイトルがリリースされ好評を得ました。2019年1月、新たに冨田勲シンセサイザー)の『ダフニスとクロエ』が加わることとなりました。

1979年発表の『ダフニスとクロエ』は、『惑星』『宇宙幻想』『バミューダ・トライアングル』という〈宇宙3部作〉のあとにリリースされた眩いばかりの色彩美に満ちた、メルヘン的な第7作アルバムにあたります。この頃の彼の音楽作りは、原曲を生かしつつも、巧みに自らの想像力をいかし独創性を強く押し出してきましたが、ここでは一転して1974年の第1作『月の光』同様、フランス音楽に新たな光を与え、原曲のメロディーの美しさを忠実に生かし、なおかつシンセサイザーから作り出される、生のオーケストラでは聴くことのできない洗練された色彩の美しさをたっぷりと堪能させてくれます。

オリジナルLPは4チャンネル・ステレオと通常のステレオの2通りで発売されましたが、CD化はこれまでステレオ・バージョンのみでした。英ダットンはソニークラシカルからこの音源をライセンスし、SACD層には4チャンネル・バージョンとステレオ・バージョンの2種、CD層にはステレオ・バージョンのみを収録しています。リマスターはダットン創業者のマイケル・J・ダットン自身が行っています。
(タワーレコード 商品本部 板倉重雄)
 
【曲目】
ラヴェル/冨田勲
1.「ダフニスとクロエ」組曲第2番 (1)夜明け (2)無言劇 (3)全員の踊り
2.亡き王女のためのパヴァーヌ
3.ボレロ
4.組曲マ・メール・ロワ」 眠りの森の美女のパヴァーヌ
5.組曲マ・メール・ロワ」 夜の森に迷った一寸法師
6.組曲マ・メール・ロワ」 パゴダの女王レドロネット
7.組曲マ・メール・ロワ美女と野獣の対話
8.組曲マ・メール・ロワ」 妖精の園
【制作】
1979年
【オリジナルLP】
RCA R4C2069(1979)STEREO/QUADRAPHONIC