SACDハイブリッド盤。テオドル・レシェティツキはポーランドに生まれ、ウィーンでチェルニーにピアノを師事したピアニスト・コンポーザー。アントン・ルビンシテインが開設したペテルブルグ音楽院のピアノ科教授に招かれ1862年から78年まで教え、ロシア・ピアニズムの基礎を作りました。
彼は独特なメソードを持つ名伯楽として知られ、弟子にはパデレフスキ、フリードマン、ガブリロヴィチといった伝説の名手を筆頭に、シュナーベル、エリー・ナイ、ブライロフスキー、ホルショフスキ、左手のヴィトゲンシュタインまで錚々たる大物が顔を揃えています。
レシェティツキはピアノ曲を中心に作曲も残していて、ほとんどがサロン的小品ですが、華やかで技巧的、弟子の大ピアニストたちが演奏会や録音で披露していましたが、今日であまり聴く機会がありません。ゆえに待望のディスク登場となります。
演奏のトビアス・ビッガーは1962年生まれのドイツの個性派ピアニスト。1982年にイタリアのコンクールで入賞しながらも弁護士として働き、1998年にピアノへ専念することを決めました。知られざる技巧作品に熱心で、編曲も数多く行うなど19世紀風芸風が興味津々です。
キングインターナショナル【曲目】
レシェティツキ:ピアノ曲集(1)2つのピアノ曲Op.38【1.気まぐれなメヌエット/2.即興的マズルカ】
(2)4つの小品Op.36【1.アリア/2.ジグ/3.ユモレスク/4.泉】
(3)2つの小品Op.43【1.セレナータ/2.ラ・ピッコラ】
(4)パステル画Op.44【1.前奏曲/2.古風なジグ/3.ユモレスク/4.オクターヴの間奏曲】
(5)2つのピアノ曲Op.47【1.ノクターン/2.スケルツォ】【演奏】
トビアス・ビッガー(ピアノ)【録音】
2019年7月/インマヌエル教会文化センター(ヴッパータール)58分52秒収録
【仕様】
BISSA2518(SACD Hybrid)
DSD4.0 Surround sound
マルチチャンネル